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首都圏からの合格者占有率アップの大学は? 「関東ローカル化」傾向強まる

 私立大の定員の厳格化で、首都圏の大学の地元合格者の割合は高まっているのだろうか。そこで、今週は首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の主要大学で、地元の首都圏からの合格者占有率が、この10年で上がっている大学ランクを紹介したい。

 トップは横浜国立大の19・4ポイントアップ。10年前の39・4%から58・8%にまで上がった。関東ローカル化が進んでいることが分かる。次いで一橋大の19・1ポイントで、以下、早稲田大、慶應義塾大、法政大の順となった。大手私立大では、地方創生の旗印の下、入学者を定員に近づける定員の厳格化が進められている。そのため、地方からの合格者が減っていると考えられる。しかし、合格者を減らしておらず、定員の厳格化の影響がない首都圏の国公立大で、関東ローカル化が進んでいる。大手予備校の入試担当者は「経済的な問題もあって、地方の受験生の首都圏の大学を目指す意欲は薄れています。少子化で子供を手元に置いておきたい保護者が増え、受験生も地元の大学か近場の難関国立大に進学したいとの志望が強いのです。首都圏の大学の関東ローカル化が進んでいます」という。そもそも地方の受験生は、首都圏の大学をあまり目指していないようだ。

 一方、近年では京大の首都圏からの合格者が増えている。今年は12・5%で10年前のほぼ倍だ。研究に力を入れる京大人気が上がっている。さらに、定員の厳格化により、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)の首都圏からの合格者も増えている。予備校の関係者は「以前から受験生の大都市同士の移動は見られました。首都圏の私大が入りにくくなり、関西の私大を併願する受験生が増えているのでしょう。出願するだけで合否が決まるセンター試験利用入試や東京試験会場を利用しています。ただ、医学部など一部の学部を除き、地方大学には進学していません」という。地方では首都圏より少子化が早く進んでいる。地元勢が減り、大都市圏からは受けに来ないとなると、地方創生は厳しい状況にあるといえそうだ。

 ■安田賢治(やすだ・けんじ) 大学通信の情報調査・編集部ゼネラルマネジャー。1956年兵庫県生まれ。灘中高、早稲田大卒業後、大学通信入社。中高・大学受験の案内書・情報誌の編集責任者として大学合格や就職情報を発信。私立学校のコンサルティングにも協力。著書に『中学受験のひみつ』(朝日出版)など。

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