zakzak

記事詳細

凶悪犯に「潔さ」「正直さ」求めるのはナイーブだ 国の指導者も嘘をつく

 ことわざに「嘘も方便」というものがある。「方便」とは仏教用語で、「衆生(しゅじょう=この世に生を受けたもの)を真の教えに導くために用いる仮の手段」のことだそうだ。つまり、「嘘も方便」には、「嘘をつくのは本来なら悪だが、自分ではなく他人のための嘘なら許される場合がある」という意味が含まれている。

 子供のころから「嘘つきは泥棒の始まり」としつけられる一方、童話「泣いた赤鬼」の青鬼の嘘には共感する日本人にとって、この「自分のための嘘は悪だが、他人のための嘘は善」が常識なのではないか。

 だが、その考え方は、法律や世界的な常識とは真逆だと認識しておいた方がいい。

 《刑法第169条(偽証罪)=法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3か月以上10年以下の懲役に処する》

 《刑法第171条(虚偽鑑定等罪)=法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときは、前2条の例による》

 《議院証言法第六条1項=この法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する》

 先日も書いたが、嘘をつくことも自由主義国の「表現の自由」の一部である。平たく言えば、誰にも「嘘をつく権利」がある。それを無責任野党や左派メディア、組織的クレーマーや外国工作員はうまく利用している。

 ユーチューブでは最近、保守系チャンネルの閉鎖が続いているが、組織的な嘘クレームは「方便」ではないものの犯罪でもない。

 嘘を犯罪として処罰する「偽証罪」は、「法律により宣誓した証人、鑑定人、通訳又は翻訳人」らが、法廷や国会で他人をかばうために嘘をついた場合に適用される。

 他方、犯罪の容疑者は、取り調べや法廷でどんな嘘をついても偽証罪は成立せず、刑も重くならない。容疑者が自分の身を守るために嘘をつくのは当然だからだ。

 日本人は凶悪犯にまで「潔さ」や「正直さ」を要求する傾向があるが、ナイーブすぎないか。凶悪犯も最後は必ず改心するという「性善説」が前提だからだろうか。

 国の指導者が、国益のために平気で嘘をつくことも、世界の常識である。例えば、北朝鮮の歴代指導者は、国際社会に何度も嘘をついてきた。「核兵器保有こそ、北朝鮮の国益だ」と考えているのだから当然だ。何度もだまされる方が悪い。

 フランクリン・ルーズベルト米大統領は、米国民に嘘をついて日米開戦へと歩ませた。戦後、米国が「世界一の国」になれたのは、米国がドイツと日本に戦争で勝てたからだ。だが、真珠湾の兵士の命を犠牲にした嘘を、私は「方便」とは呼びたくない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

関連ニュース

アクセスランキング