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迷走続けた財務次官人事 安倍官邸と麻生財務相に“政局観の違い”

 迷走を続けた財務省の事務次官、そして幹部人事が確定した。

 財務事務次官=岡本薫明(しげあき)主計局長(1983年旧大蔵省入省)、主計局長=太田充理財局長(同)、理財局長=可部哲生官房総括審議官(85年)、官房総括審議官=茶谷栄治主計局次長(86年)、国税庁長官=藤井健志同次長(85年)-。

 浅川雅嗣財務官(81年)、星野次彦主税局長(83年)、武内良樹国際局長(同)、矢野康治官房長(85年)は留任する。

 アルゼンチンで開催中の主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席している麻生太郎副総理兼財務相の帰国後の7月27日の閣議で同人事は承認される。

 岡本次官体制誕生に至るまでの道のりは険しかった。

 業界用語で言う「新聞辞令」が5月下旬から6月下旬まで飛び交い、セクハラ問題で辞任を余儀なくされた福田淳一前次官(82年)の後任次官人事は迷走した。

 霞が関の「最強官庁」とされる財務省のトップ人事が、これほど政治に翻弄されたことは過去になかった。

 旧大蔵省時代を含め財務省人事は「予定調和人事」と称され、5年先の次官、主計、主税局長、官房長が事実上、確定されているというのが「常識」だった。

 新聞各紙で名前が上げられた「次官」は、星野主税局長、浅川財務官、そして岡本主計局長と、二転三転した。

 各人の名前が報じられた時点で、各紙は断定的な見出しを立てた。

 主要官庁のトップ人事に関する報道は各紙ともに確実な裏取りを行う。財務次官人事であれば、裏取りする相手は麻生財務相、菅義偉官房長官のいずれかである。

 では、なぜこの1カ月間に主要メディアが結果的に「誤報」を流すことになったのか。

 やはり、政治に翻弄されたと言う以外に言葉が見つからない。

 短絡的に過ぎるとの批判を承知で言えば、同省を主管する麻生財務相と、安倍官邸(=菅官房長官や今井尚哉首相政務秘書官など)との間には、今後の政局観に大きな違いがあるからだ。

 だからこそ、かつては絶対に政治介入を許さなかった「財務省人事」という聖域が、公文書改竄(かいざん)発覚を機に政治の事情に翻弄され続け、もはや財務省側の主張が通らない状況に陥ってしまった。

 筆者の新著『財務省の黒い霧』(宝島社新書)が27日に店頭に並ぶ。新生財務省の行く末についての詳細は、同書を参照していただきたい。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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