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ラスベガスで貴重なライブが行われるワケ 歌舞伎、大相撲…カジノ以外も充実を

 前回に続き、カジノ先進国からのメッセージを紹介しよう。

 ■カジノを差別化するのはカジノ以外の部分

 IR(統合型リゾート)においてカジノは儲けを生み出すほぼ唯一の機能だが、ルールが同じでアレンジにも限界がある。

 そんなカジノを差別化するのが、実は「カジノ以外」の充実度だ。ラスベガスで貴重なライブが行われているのもそれが理由。

 ■日本といえば「歌舞伎」だが…

 日本人関係者から多く出るのは「歌舞伎」という意見。ところが、そう答える人に限って、意外なことに歌舞伎を見たことがなかったりする。

 たしかに歌舞伎は日本の伝統芸能だが、ライブやサーカスとは違い、そのままでは外国人には難しい。

 ■切り札は大相撲?

 熱い視線が注がれているのが相撲だ。大相撲は外国人旅行者に大人気で、横綱が休もうがいつも満員。客の入りがしっかり計算できる娯楽となっている。

 ラスベガスではボクシングが有名だが、大相撲が定番となればいかにも日本らしい。

 ■カジノはディズニーランドではない

 一方、改善への助言もある。あるカジノマネジャーは「カジノはディズニーランドではない」と語る。

 「ディズニーランドの入場料には乗り物代が含まれるが、カジノの入場料は単に取られるだけ」

 カジノもサービス業である以上、それではいけないという。改善策として、入場料に見合うチップや食事クーポンを提供するか、あるいはホテル代から差し引くなど、お客さんの負担を減らす工夫が必要と語った。

 ■日本に必要なのは「大人の遊び場」

 カジノ先進国を知る者といえば外国人ばかりではない。宗教人類学者で京都造形芸術大学教授の植島啓司氏は、これまで学術調査で約100カ国を訪れ、そのほとんどの国でカジノをしてきた。彼はこう語る。

 「カジノは世界各地、北朝鮮にもあります。成熟した文化には人生をいたわり、慰めるひとときの楽しみがつきもので、賭事にはそんな役目もあります。子供の頃、縁日で射的やくじ引きにわくわくさせられた経験は誰にでもあると思いますが、カジノも基本は同じなんです」

 日本でも、ようやくカジノが導入されることについては、「ナイトショーなど欧米文化圏には大人の遊び場があります。そうした余裕のある遊びの文化が日本にも普及して、人々に喜びを与えるのであればいいと思うのですが…」。

 植島氏が語るように、カジノという遊びは大人が幸福に生きていくための安息の場であり憩いの場だ。

 そうしたものがごく当たり前にあることこそ、寛容で柔軟な社会のバロメーターといえる。日本のカジノは果たしてそんな存在になれるのだろうか。(作家・松井政就)

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