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小笠原返還50年、空路開設ぜひ実現を 住民にメリット大きい

 今年は小笠原諸島(東京都小笠原村)が米国から返還されて50周年なんだそうだね。返還された当時、ボクはまだ20代だった。よく覚えているよ。

 ただ個人的に思い出深いのは、小笠原よりも沖縄。まだ米国統治の時代でボクが小学生だったころに、沖縄に住んでいた人と文通していてね。当時の切手が色鮮やかで美しかったから、印象に残っているんだ。

 「東洋のガラパゴス」と呼ばれている小笠原諸島は世界自然遺産に登録されているんだけど、本州からは約1000キロも離れている。アクセスの手段は約1週間に1度の定期船だけ。しかも片道24時間もかかってしまうから、とっても不便なんだ。

 そこで、航空路開設が議論されているんだけど、環境への影響が懸念されて、小笠原村の中でも意見が分かれているらしい。

 でもこれっておかしくないかな。世界自然遺産に登録されているために、住民のためのインフラづくりができないなんて。ボクとしては、ぜひ実現してほしいと思うんだけどね。

 なぜなら、小笠原村は健康に不安を抱える人でも安心して暮らせるような医療態勢がとれていないからだ。診療所で対処できない患者さんは自衛隊にお願いして救急搬送してもらうんだけど、どうしても病院に到着するまで時間がかかってしまう。このため搬送途中で亡くなってしまうケースもあったそうだ。

 同じようなことは他の離島でもいえる。医師はとかく大都市に集中しがちで、僻地(へきち)は人材が手薄になってしまうんだ。中国ではかつて、国家から正式に資格を与えられたわけではないが、短期間の訓練を受けた「はだしの医者」というのがあって、農村の医療を担っていた時代があったんだけどね。

 確かに小笠原村にとって豊かな自然はかけがえのない財産だろうし、世界自然遺産登録で観光客が増えるから経済効果も大きい。でも、住民の皆さんが安心して定住できないようでは本末転倒なのではないだろうか。

 薬品など物資の輸送ということから考えても、空路開設はメリットが大きいと思う。自然との共存共栄が理想だろうけど、議論が今後どうなっていくのか注目したいね。

 まあ、「不便を承知で住んでいるんだから仕方ない」という意見もあるだろう。確かにそうかもしれない。でも、病気やケガは往々にして突然やってくるもの。村内の医療施設を充実させることも考えないといけないんじゃないかな。

 ■高須克弥(たかす・かつや) 美容外科医で医学博士。美容外科「高須クリニック」院長。愛知県出身。日本に「脂肪吸引手術」を普及させた先駆者で、「Yes、高須クリニック」のCMフレーズでもおなじみ。芸能界、財界、政界と幅広い人脈を持つ。著書多数、最新刊は「大炎上」(扶桑社新書)。

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