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朝日新聞がご立腹「デモ出発地の公園制限」 でも予想できたのでは?

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 朝日新聞6月26日夕刊は、東京都新宿区の区立公園でデモの出発地として認められていた4つの公園が、8月から1つに制限されることになると報じている。見出しには、「デモ出発公園 制限へ」「新宿区がヘイト対策 表現の自由懸念も」とある。

 それによると、新宿区がデモ出発地の公園使用の基準を変更して、許可するのは新宿中央公園だけで、今まで使えた3公園は、使用禁止になるというのである。これに対して、「ヘイトスピーチ問題に詳しい」弁護士や憲法学者に、憲法が保障する集会・表現の自由を侵しかねないと、懸念を表明させている。

 新宿区は同月27日、この使用基準変更を区議会に報告した。翌日の朝刊にも記事があった。

 区の説明によると、基準の変更は同月20日に行われた。学校・教育施設や商店街に近接する公園は禁止対象となり、1カ所になったという。規制の理由として、ヘイトデモ以外に、大人数でシュプレヒコールをあげるデモもあり、住民への迷惑行為も挙げられたという

 朝日新聞は同月30日の社説で、この動きに強く反発している。

 その冒頭は、「短絡的で乱暴な措置に驚き、あきれる。憲法が定める『集会の自由』や『表現の自由』を侵害するおそれが大きい」と、大変なご立腹である。

 そして、結論部分は、「住民の生活環境を整えるのは自治体の大切な役割の一つだ。しかし、議会とも話し合わず、積み重ねられた司法判断も無視して突き進むのは危うい。いったん立ち止まって考え直すよう、新宿区に求める」となっている。

 朝日新聞は今ごろ騒いでいるが、こんなことは当然予想されたことではないのか。根本原因はヘイトスピーチ問題であることは、明らかである。在日の人々への不満を表明した行動に対し、それを否定するために「ヘイトスピーチ」という、耳慣れぬ言葉が使用された。

 その言葉を世の中に広めるために大いに努力してきたのが、ほかの誰でもない朝日新聞だと、私は紙面をウオッチしていて感じる。しかも2013年の流行語大賞に選出されて、さらに社会に定着した。

 メディアの報道に動かされて、与党の自民、公明両党が主導して、ヘイトスピーチ対策法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)が生み出された。野党も、反政府のメディア主流も同調し、この極めて問題のある法律は、16年5月成立してしまった。現在、自治体はそれに基づいて、各種の行政措置を採り出している。

 しかし、条文を読んだが、明確なヘイトスピーチの判定基準など、あるはずがない。今後、外国人に対する正当な批判も、ヘイトスピーチとして、圧殺される危険がある。ヘイトスピーチ対策法そのものが、憲法第21条の「集会・結社・表現の自由」に違反しているとしか思えない。

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、夕刊紙や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。

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