zakzak

記事詳細

トランプ大統領「強気姿勢」の理由 女性票離れで中間選挙危機か

 ドナルド・トランプ米大統領の「強気姿勢」に拍車がかかっている-。

 米中貿易摩擦の中で、対中強硬策はさらにエスカレート、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉では対カナダ批判が留まることを知らない。

 もちろん、先の日米貿易協議(FFR)でも、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、茂木敏充経済再生相との会談で、対日強硬姿勢を崩さなかった。

 トランプ政権が検討している輸入車への関税上乗せ措置をチラつかせながら、日本との自由貿易協定(FTA)交渉入りを求めるなど、トランプ流のディールを迫った。

 一方の茂木氏は、米国を除く11カ国での環太平洋政略的経済連携協定(TPP)の年内発効を念頭に、日本が米国産牛肉の最大輸出国であることを交渉カードにしてライトハイザー氏を牽制(けんせい)、第1回FFRは不首尾に終わった。

 それはともかく、トランプ氏の強気姿勢の根拠となっているのが、8月7日に行われたオハイオ州下院12区の補欠選挙で共和党候補が勝利したことだ。

 トランプ氏はツイッターで勝利を言い募ったが、実は、獲得票率は共和党候補50・1%、民主党候補49・3%の僅差であり、辛勝である。

 保守系FOXニュースは「オハイオ州中部の有権者は(全国に)メッセージを送った。トランプ大統領の政策は米国を正しい方向に導いており、(有権者は)引き返さないということだ」と大々的に報じた。

 ちなみに、映画「ショーシャンクの空に」(1994年公開)の舞台となったのが同選挙区のマンスフィールドである。

 では、「米国を正しい方向に導いている」トランプ氏=共和党が11月の中間選挙で勝利する可能性があるのか。

 ここで同州下院補選の結果を検証する。

 オハイオ州下院12区は、1939年選挙から2001年までの62年間で民主党が勝利したのは81~82年のわずか2年間だけという共和党の牙城だ。この金城湯池で共和党は民主党に肉薄されたのだ。

 全国的に見ると「都市部は民主党」「郊外が共和党」という構図である。同選挙区も同じ。ところが、共和党が大苦戦を強いられたのは、郊外の女性票(母親票)の多くが民主党に流れたからだ。

 全国レベルでは、現時点で上下院の女性候補者は186人で過去最多。民主党が143人、共和党はわずか43人である。

 共和党の下院多数派維持が語られているが、実は厳しいのだ。ゆえに、トランプ氏は強硬策を採らざるを得ないのである。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

関連ニュース

アクセスランキング