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ボルトン発言の肝は「中国牽制」…サイバー組織の「選挙干渉」に警戒

 ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は8月19日、米3大ネットワークABCテレビの人気報道番組「This Week」(米東部時間日曜日午前9時から1時間)に出演した。

 そして同氏は、11月の中間選挙に干渉する懸念がある国として、ロシアだけではなく中国、北朝鮮、イランの4カ国を名指しした上で、干渉の阻止に向けて対策を講じていると述べた。

 このボルトン発言の肝は「中国」である。

 伏線はあった。前日の18日、ドナルド・トランプ大統領は選挙干渉問題に関してツイッターで「ロシアばかりに目を向けている愚か者は別の方向、すなわち中国に目を転じるべきだ」と発信していたのだ。

 改めて言うまでもなく、トランプ政権内でボルトン氏はピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に並ぶ対中強硬派だ。

 ちなみに穏健派の代表格はスティーブン・ムニューシン財務長官だが、同氏は政権内での影響力低下が指摘されている。

 とどまるところを知らない米中貿易戦争のエスカレートの中で、22、23両日、ワシントンで米中実務者協議が行われた。

 人民元・株価下落への対策に迫られた習近平・国家指導部は、国際交渉の手練れとして知られる王受文商務次官をワシントンに派遣、デビッド・マルパス財務次官(国際問題担当)と協議した。

 だが、この王・マルパス会談が端から「不・適材適所」であることは、マルパス氏も対中強硬派であるだけでなく、ボスのムニューシン氏の地盤沈下からも明らかだった。

 まるで米中協議を不調に終わらせたかのように、米国は協議が終了した23日午前0時1分から160億ドル(約1兆8000億円)分の中国製品に25%の追加関税を発動したのだ。

 こうした対中強硬策の根っこには米中「デジタル覇権」抗争がある。中国が近隣国への政治介入を狙ってサイバー攻撃技術の開発に乗り出していることは、日本経済新聞(8月18日付朝刊)が1面トップでその詳細を報じている。

 同記事は、7月29日に実施されたカンボジア総選挙で「予行演習」が行われたケースを紹介している。

 実は、習近平総書記が主任である中国共産党中央網絡安全和信息化委員会という組織がある。国家サイバー・デジタル戦略の総元締めなのだ。

 同組織を念頭にボルトン氏は強い危機感から中国を牽制(けんせい)したのである。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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