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トランプ大統領の「中韓・損切り」を邪魔するな 衣食足りて民主主義を知る、とならなかった中国

 ドナルド・トランプ米大統領が仕掛けた米中貿易戦争について、「自由貿易への挑戦だ」「共倒れになる」といった見解を示す評論家や政治家が日本にもいる。米国人である私の見解を紹介したい。

 まず、根底には米国の数十年に及ぶ大戦略が失敗した事実がある。

 1949年に建国された中華人民共和国(PRC)は、建国の父である毛沢東主席が「百花斉放・百家争鳴運動」や「大躍進政策」「文化大革命」などの愚策を繰り返し、国の発展を自ら阻害していた。

 結果、日本の元号が昭和だった時代(26~89年)、PRCはずっと巨大な発展途上国に過ぎなかった。50代以上の人は北京に大量の自転車ばかり走っていたころの映像をご記憶だろう。

 まさに自業自得だが、習近平国家主席を筆頭とする戦後生まれの中国共産党幹部は、急速に発展した日本や欧米諸国に対するコンプレックスを抱き、逆恨みしたようだ。

 米国は戦後、「共産主義こそ最大の敵だ」と理解した。宿敵はソ連だった。PRCはソ連の全面支援で建国されたが、53年のヨシフ・スターリン書記長の死後、両国は距離を置いた。69年には中ソ国境紛争も起きた。

 ことわざに、「衣食足りて礼節を知る」がある。米国は、共産主義体制下で極貧状態を続けてきたPRCを取り込む大戦略を立てた。米国や日本が発展を助ければ、「衣食足りて自由と民主主義を知る」になると考えた。

 だから国交を樹立して、ODA(政府開発援助)と民間投資で資金や技術を惜しみなく提供した。空港や港、高速道路などのインフラも整備し、「世界の工場」の下地を作った。

 さらに、国連入りも支援した。中華民国(現在の台湾政府)が、日本と戦って獲得した「戦勝国」と「国連安保理常任理事国」という特別な戸籍を「背乗り」させた。実は「1つの中国政策」を否定すると、PRCは戦勝国である中華民国と戦ってきた敵国になるのだ。

 歴代米大統領は、PRCへの迎合体質を改善できなかった。抗日連合会や孔子学院の動向を見る限り、米国内にも巨大市場の魅力に魅せられただけなく、賄賂やハニートラップにハマった政治家や政府関係者、学者、経営者、メディア関係者などが相当数いる。

 PRCは最初から、「衣食足りて覇権を目指す」国だった。雌伏していた20世紀に作られた国際組織やルールを、利用はするが尊重する気はない。

 トランプ氏はビジネスで大成功した人物だ。有能なビジネスマンは、敵を倒す有効な手段があれば何でも使うし、冷酷な「損切り」もする。

 米国は今や、PRCの打倒だけでなく、韓国も含めた損切りを覚悟した。日本は温情的な「買い支え」をすべきではない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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