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ルーレット「勝敗の分かれ目」 “シングルゼロ台”なら払戻し率97.3%

★勝てるゲーム 勝てないゲーム(6)

 “カジノの女王”「ルーレット」は、「大小」などに比べると、ある意味、フェアなゲームだといえる。大小はチップを賭けるレイアウトの中に、カジノにとって収益性の大きい賭け方を忍ばせている。例えば「特定のゾロ目」を当てれば151倍の高配当だが、その期待値は69・9%どまり。

 対してルーレットは、チップをどこに賭けても期待値が変わらない。“アウトサイドベット”と呼ばれる「赤/黒」「奇数/偶数」「ハイ/ロー」は、当たる確率が約1/2で、それに2倍の配当がつく。

 一方、出る数字をピンポイントで狙う“インサイドベット”にはさまざまな賭け方があるが、的中確率が約1/36の「1点賭け」は36倍。6つの数字に賭ける「ライン」は確率約1/6のところに6倍の配当だ。1点勝負であろうが、チップをばらまいて広く網を張っても、あとはもう運任せ。戻ってくる配当の期待値は同じなのだ。

 実は「運命の分かれ道」はチップを賭ける前にある。

 図は『カジノ・アンギャン・レ・バン』に置かれているルーレット台の数字の配置だ。“あれ? 自分が遊んだことのあるルーレットと違うぞ”と思った方がいるかもしれない。それには緑色の「0」に加え、対角線の位置にもう一つの緑枠「00」(ダブルゼロ)があったのではないだろうか。ラスベガスなど、世界で広く使われているのが「アメリカンルーレット」と呼ばれるダブルゼロ・タイプなのだ。パリやモナコなどのシングルゼロ台は「ヨーロピアンルーレット」という。

 客が「0」か「00」以外の数字、あるいはアウトサイドベットに賭けていて、いずれかのゼロ(緑色のスポット)にボールが落ちたときは“親の総取り”=すべての賭けが自動的に負けになる。これがルーレットにおけるカジノ側の取り分だ。

 さて、ここでカジノの取り分(ハウスエッジ)を計算してみよう。ダブルゼロの場合、1~36の数字と0、00で合計38個の枠があるなかで、“外れ”は2カ所。取り分は2/38で5・26%だ。これを100から引いて、こちら側の払戻し率は94・74%。

 シングルゼロなら1~36の数字と0の合計37個の枠があり、1カ所しか“外れ”はない。取り分は1/37=2・7%。払戻し率97・3%ならバカラに次ぐ高い期待値があり、これは少しでも運が向いてくれば“勝てるゲーム”の部類に入る。

 『カジノ・アンギャン~』では、この有利なルーレットの周りにギャンブラーが群がっていた。多くはミニマム5ユーロの台だが、ハイリミットエリアでインサイドに100ユーロを賭けていた人のプレーは圧巻。1つ当たっただけで3600ユーロ(約46万円)の配当だ。

 そんなアツい勝負が夜な夜な繰り広げられる、このカジノのラスト勝負は午前4時にコールがかかる(週末は午前5時)。ラスベガスやマカオのように、365日24時間営業でないところは、ヨーロッパのカジノが残しているエレガントさか。何世紀も逆戻りしたような空間で味わう“非日常”もいいものだ。(ギャンブルライター・片山真)

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