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競馬とカジノの“融合” 売上げアップで経営難脱す

★松井政就 ニューヨークカジノリポート(1)

 パリで凱旋(がいせん)門賞が行われていた頃、ぼくは逆方向のニューヨークで取材をしていた。目的はカジノだ。

 アメリカのカジノといえばラスベガスやアトランティックシティーが有名だが、ニューヨークにもカジノはある。2011年に作られた「リゾートワールド・カジノ・ニューヨークシティ」だ。

 追って説明していくが、このカジノはいろんな意味で既存のカジノとは異なる内容となっている。

 しかしガイドブックなどには、このカジノがニューヨーカーに人気を博しているというような記述もあるので、それが本当かどうか、ぼくは自分の目で確かめたいと思っていた。

 【競馬場に併設されたカジノ】

 日本からニューヨークへの飛行機は、大部分がJFK(ジョンFケネディ国際空港)に着陸する。観光客はそこからタクシーかバス、または電車でマンハッタンに向かうことになる。その途中で通るクイーンズ地区にアクアダクト競馬場がある。

 マンハッタンのような繁華街と比べると、同じニューヨークとは思えないほど静かで、東京競馬場の周りをもっとのどかにしたような雰囲気だが、その競馬場の隣にあるのがリゾートワールドカジノNYCだ。

 リゾートワールドは競馬場に併設された「レーシノ」(レース+カジノの造語)であり、競馬とカジノの融合をうたい文句として近年増えてきている形態だ。こうしたものが造られるようになったのは、カジノではなく競馬のほうに事情がある。

 アメリカではひと頃の不況により競馬人気がガタ落ちし、経営困難になる競馬場が増えた。ぼくが行った日のアクアダクト競馬場はレースがなく、別の競馬場での馬券を売る場外馬券売り場の日だったが、それにしてもお客さんは少なく、うら悲しい地方競馬のようで、人間より鳥のほうが多いくらいだった。

 聞けば、GIのような大レースがなければ、たいていこんなもんらしく、競馬だけでは経営が立ちゆかないというのも本当だろうと思えた。

 そんな状況を改善するために考え出されたのがカジノを併設するというアイデア。これにより全体としての売り上げがアップし、経営難を脱した競馬場があるのも事実だ。

 アクアダクト競馬場とカジノは中で直結されており、行き来も自由。さっそく入ってみると、そこには見慣れぬ光景が広がっていた。(作家・松井政就)

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