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中国への危機感乏しい玉城知事… 地元住民「東京都へ入ろうか」

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 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域では、現在も中国公船の領海侵犯が相次いでいる。中国が尖閣諸島を強奪し、国際社会向けに既成事実化しようとしているのは明らかで、当事者である沖縄こそ、誰より危機感を募らせなくてはならないはずだ。

 沖縄県の玉城デニー知事は今月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見した際、香港の記者から「沖縄にとって中国は脅威か」と問われた。玉城氏は琉球王国時代からの沖縄と中国の友好を強調したうえで、「国防や外交は国の専権事項だから、沖縄が方向性を変えることはできないかもしれない」などと答えた。質問をはぐらかしているが、脅威であることを否定しているように聞こえる。

 仮に玉城氏が、世界各国の記者が注目するこの場で、「沖縄の知事として、領海侵犯を繰り返す中国に抗議する」と言明すれば、中国の蛮行を牽制(けんせい)する大きなアピールになっただろう。毅然(きぜん)とした態度が感じられなかったのは、沖縄県民として残念としか言いようがない。

 9月の知事選でも、玉城氏は尖閣問題への認識を問われ、「外交と国際法により解決が図られる必要がある」と当たり障りのない答えに終始した。

 この弱腰は、尖閣問題にほとんど無関心だった翁長雄志知事の“後継者”そのものだ。

 安倍晋三政権が支援した対立候補の佐喜真淳(さきま・あつし)前宜野湾市長が「県もしっかり抗議の意思を示すなど、断固たる態度で臨むべき」と主張したのとは対照的だった。

 尖閣諸島にも近い、宮古島市出身の座喜味一幸(ざきみ・かずゆき)県議は県議会で、玉城氏らを前に「尖閣周辺で操業する漁船は、海上保安庁に守られながら操業している。尖閣を取られたら次は宮古、八重山諸島だ。地元では(県が弱腰なので)『東京都に入ろうか』と冗談で言う人もいるくらいだ」と嘆いた。

 玉城氏が当選したので、尖閣問題に対する県の煮え切らない姿勢もそのまま継承された。私が驚いたのは、県議会で尖閣問題への認識を問われた県幹部が「尖閣諸島に解決すべき領有権の問題は存在していない、という日本政府の見解を支持する」と他人事のような答弁をしたことだ。

 まるで外国政府が尖閣について語っているようではないか。翁長県政時代も全く同じ答弁だった。

 尖閣問題は、中国共産党政権の侵略的な性格に深く根差している。石垣市の関係者は「今の緊張状態は100年後も続いているだろう」と諦め顔だ。

 沖縄が「対中融和的だ」と判断されれば、そこに中国の付け入る隙が生じる。反基地イデオロギーに支配された県政は、日本全国にとって危険だ。

 ■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

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