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結局は「翁長県政の2期目」を見るだけ? 玉城知事と沖縄メディアに「既視感」

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 沖縄県の翁長雄志前知事の在任中、沖縄と本土の“分断”が加速化し、沖縄の県益が大きく毀損(きそん)された。後継者の玉城デニー知事も、就任後1カ月余りで「翁長色」が日に日に濃くなっているように見える。

 前任者の失敗を教訓に、沖縄と本土の溝を埋める「癒やしの県政」を目指してほしいと祈っているが、独自路線を歩むのは難しそうだ。

 「『新基地建設反対』という県民の民意を伝えられた。まったく壁は感じず、実りのある訪米だった」

 玉城氏は16日、初訪米から帰国し、記者団にこう胸を張った。米国で、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を米国政府に直訴したが、ワシントンで面会に応じた国務省や、国防総省の担当者は「辺野古移設は揺るがない」と表明した。

 移設をめぐり、杉田和博官房副長官と、沖縄県の謝花(じゃはな)喜一郎副知事の集中協議も始まっているが、両者の立場は平行線のままだ。

 辺野古移設阻止に向けた玉城県政の行動を見ていると「デジャブ(既視感)」という言葉が思い浮かぶ。「訪米」「日本政府との集中協議」、そして、今後予想される「政府との法廷闘争」。すべて翁長前県政がやったことの繰り返しである。同じ条件で同じ行動を取るなら、同じ結果が出て当然だ。

 翁長氏は「民意は辺野古反対」と主張する一方で、沖縄に迫る中国の脅威には沈黙した。政府との対立が深まると、今度は「日本に民主主義や地方自治はあるのか」などと、刺激的な発言を繰り返した。本土に共感は広がらず、逆に「沖縄は日本の安全保障をどう考えているのか?」と反発や不信感が強まった。

 しかし、翁長氏の発言は地元の支持固めを狙ったもので、政治家らしく計算ずくだった。タレント出身である玉城氏のキャラクターは、はるかに明るい。今のところ翁長氏ほど激しく政府を罵倒する場面も少なく、そこに一抹の光があるかもしれない。

 「自らが提案する力が、基地問題の解決を導き出す。国の責任と言い続けるのは、無責任な人たちの遠吠えでしかない」

 沖縄の衆院議員、下地幹郎元郵政担当相(日本維新の会)は、玉城氏にそう提言し、前県政とは異なる新戦略の必要性を指摘する。

 しかし、県紙「琉球新報」は社説で、下地氏の提言を「看過できない」と批判した。「政府が姿勢を改めない限り解決はない」「代替案を提案するとすれば、それは県ではなく政府の側である」と、政府に責任転嫁する翁長路線の継承を迫った。

 硬直的な沖縄メディアも、玉城氏の路線転換を阻んでいる。結局、私たちは「翁長県政の2期目」を見るだけに終わるのかもしれない。 =おわり

 ■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

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