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G20で米中首脳会談開催 貿易戦争「一時停戦」か「激突」か

 世界の市場関係者は今、11月30日~12月1日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催されるG20(主要20カ国・地域)首脳会議を固唾を呑みながら見守っている。米中貿易戦争の当事者であるドナルド・トランプ大統領と、習近平国家主席のトップ会談が同地で行われるからだ。

 そして、米中貿易戦争を「一時停戦」に持ち込めるのかどうかの瀬戸際に、世界経済はいる。

 トランプ氏は、スティーブン・ムニューシン財務長官、ラリー・クドロー大統領補佐官(経済担当)、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表を引き連れて現地入りする。

 一方、G20首脳会議出席に先立ち、王毅国務委員兼外相を従えてスペインとポルトガルを公式訪問する習氏と、ドイツで開かれる中欧フォーラム(ハンブルク・サミット)に参加する劉鶴副首相は11月29日、ブエノスアイレスで合流する。

 習、劉両氏が事前に欧州を訪問する意図は明白だ。米中首脳会談前に、中国・欧州経済関係強化を世界に向けてアピールすることである。

 とりわけ、対米交渉の責任者である劉氏が前線を離れたのは、欧州との経済協力対話を行い、対米防波堤を構築しようということだ。ハンブルク滞在中3日間に欧州各国の経済・貿易相との会談を重ねることからも、それはうかがえる。

 いずれにしても、米中貿易戦争を「一時撃ち方止め=停戦」に持ち込めるのかは予断を許さない。

 米国主導の「中国封じ込め」が着々と進んでいるからである。

 米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」(USCC)は14日、年次報告書を発表、中国が人工知能(AI)を用いた兵器など次世代の軍事技術に大規模投資を行い、米国の軍事的優位が脅かされているとした。

 米商務省産業安全保障局は19日、「中国製造2025」に関連する14の分野の輸出規制を発表した。さらに、パリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)は月末までに報告書を発表する。

 そこでは、中国の巨大デジタルプラットフォーマー「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)が、WEBサービス(決裁・検索)から多様なリアルサービス(自動車製造・地図データ・シェアリング)に進出して影響力を強めていることを受けて、監視の必要性が強調されている。

 とは言うものの、トランプ政権内の対中最強硬派のピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)が大統領に同行しないことが、現時点で最大の朗報である。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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