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東名あおり運転裁判、石橋被告「『ボケ』と言われムカついた」 涙で謝罪も遺族席を直視せず

 東名高速のあおり運転をきっかけにした死亡事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋和歩被告(26)の裁判員裁判で、石橋被告は法廷で初めて涙を流し、被害者に謝罪の言葉を述べた。ただ、遺族の座る席を直視する様子は確認できなかった。

 横浜地裁で開かれた公判の被告人質問で石橋被告は事故当日、当時交際していた女性と神奈川県内を観光した帰りで、女性を家まで送るために名古屋方面に向かっていたと述べた。

 同県内の中井パーキングエリアで、死亡した萩山嘉久さん=当時(45)=とトラブルとなった経緯を「車を降りて、タバコ吸いよって、吸いよう途中に(嘉久さんに)『邪魔やボケ』と言われて」と説明。「『ボケ』と言われたことにむかついた」と明かした。

 嘉久さんと妻の友香さん=同(39)=らが乗るワゴン車を高速道路上に停車させ、嘉久さんに暴行を加えた場面については「交際していた女性に『子供おるけんもうやめとき』と言われて、つかんでいた(嘉久さんの)手を離した」と説明。弁護側から理由を問われると「子供を巻き込んだりしたら悪い」と声を震わせ、下を向いて涙を流し始めた。

 メガネを外し、茶色いハンカチのようなもので顔をぬぐい、数十秒間黙っていたが、「子供がいると分からなかった。分かっていたら何もしなかった」と説明を続けた。

 被害者や遺族への謝罪の意思を問われると「こういう事故を起こして申し訳ないことをしたと思っています。本当にすいませんでした」と述べた。しかし、この日の公判でも遺族の座る席を直視する様子は確認できなかった。

 検察側の質問では、萩山さん一家が中井PAを出発してから石橋被告が出発するまでに数十秒間の間隔があったのは、「わざと逃して追い詰める目的だったのでは」と追及されると「別にそういうつもりはないですね」と、やや大きな声で否定した。

 前日の公判で嘉久さん夫婦の長女が証言中に涙を流したことについて問われ、少し沈黙した後、「悪いことをしたと思いました」と返答した。

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