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「ファーウェイ事件」米中通商協議も抱え、習政権は対応に苦慮…“弱腰批判”を受けずに着地できるか

 中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟容疑者の逮捕劇が、中国国内に飛び火し、習近平政権はその対応に苦慮している。

 楽玉成外務次官は8日にカナダのジョン・マッカラム駐中国大使、9日には米国のテリー・ブランスタッド駐中国大使を呼び、孟容疑者逮捕に厳重抗議、身柄の引き渡しを求めた。

 これを国営の新華社通信が配信、さらに各メディアが楽次官の「深刻な事態を招くと警告」発言を報じたことから、国内で愛国主義的なセンチメントが急速に強まった。

 その極め付きは、中国共産党機関紙「人民日報」系の英語紙「グローバル・タイムズ(環球時報)」が、孟容疑者が手錠と足枷(あしかせ)をはめられて連行されたと報じ、大衆の怒りをあおったことだった。

 その怒りの矛先は、直ちにカナダに向けられた。報復措置として、中国人の観光渡航規制、カナダ産農産品の輸入禁止を示唆したのだ。

 中加関係がまさに「一触即発」に向かった11日、カナダのバンクーバー地方裁判所が孟容疑者の保釈を許可したのである。

 ここで注目すべきは、中国の今後の対米姿勢である。

 ドナルド・トランプ大統領と、習近平国家主席は1日、来年の相互訪問で合意した。2019年1月1日は米中国交樹立発表40周年である。

 トランプ氏は昨年11月に中国を公式訪問しているので、次は習氏が訪米で返礼する番だ。習氏訪米の時期は、中国の春節休みが2月4~10日なので、最も早い場合、春節後の2月中旬か下旬になる。

 そうした中で、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は9日、中国の構造改革をめぐる米中通商協議で決めた90日間について「厳格な期限だ」と述べ、改めて来年2月末までに合意できなければ追加関税の税率を引き上げると断じた。

 習氏訪米がこの期限前になるのか、それとも期限後の3月1日以降の訪米になるのでは、天と地の差がある。

 後者であれば、習氏訪米の「成功」が、米中通商協議の結果次第ということであり、合意未達のままの訪米は“赤っ恥”をかくことになる。

 習氏は今、国民から弱腰批判を受けずに、かつ冷静に対応することが求められているのだ。シグナルはすでに発している。ライトハイザー発言の翌日、劉鶴副首相が自らの訪米について同氏と電話協議を行った。

 そして、次に控えるのは、習氏が固執する「平成終焉(しゅうえん)」前の日本訪問である。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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