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世界各地で高まる緊張…日本は国防に真剣に取り組め!

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 日本は生まれ変わらなければならない。米国に一方的に頼る時代は、終わった。

 ドナルド・トランプ政権は、米国が世界を一手に守ってきた重荷を軽くして、ヨーロッパや、日本などの同盟諸国が分担することを求めている。多くの米国民が、外国を防衛する重荷を担うのが、不公平だとしている。

 米国は国防費にGDP(国内総生産)の3・1%を、支出している。ところが、オバマ前政権下でNATO(北大西洋条約機構)に加盟するヨーロッパ27カ国が「GDP2%を国防費にあてる」と約束したにもかかわらず、約束を守っているのは英国など7カ国だけだ。ヨーロッパ第一の大国のドイツは1・2%でしかない。

 私が11月にワシントンを訪れたときに、トランプ政権の関係者と会食したが、この中に国家安全保障会議(NSC)の幹部がいた。

 「ドイツの国防費は、1%ちょっとにしかならない。ドイツ国民が自分の国の価値が、それしかないと思っているなら、どうして米国の青年がそんな国を守るために、血を流す必要があるだろうか」と言った。

 日本はNATOの計算基準を当てはめると、防衛費として1・15%を支出している。

 ここで、私は「防衛費」という言葉を使っていることに、注目していただきたい。「国防費」ということが、許されないからだ。

 日本は現行の「日本国憲法」のもとで、「国防」は米国に委ねて、自衛隊は米軍を補助して「防衛」に当たることになっている。米国が日本の国防の主役であって、日本は傍役(わきやく)なのだ。

 日本国民は非常の場合には、米国が守ってくれると思い込んでいるから、国防意識が低い。

 緊張が高まっているのは、日本がある東アジアだけではない。ヨーロッパでは、いつロシア軍がバルト三国や、北欧を奇襲するか、緊迫した状況が続いている。中東も予断を許さない。もし、イランがペルシャ湾の出入り口を封鎖すれば、米軍が出動する。

 米国はもはや同時に二正面で戦う能力を持っていない。もし、米軍の主力がアジア太平洋からヨーロッパか、中東に移動したら、日本の周辺が手薄になる。日本が平和を享受し続けるためには、国防に真剣に取り組まねばならない。

 憲法を改正して、自衛隊を保有することを書き込むことを、急がなければならない。

 ■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書・共著に『神道が世界を救う』(勉誠出版)、『新・東京裁判論』(産経新聞出版)など多数。

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