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「専守防衛」は無意味な言葉…拉致被害者は憲法の被害者 「憲法改正」で国家の安全と国民の生命を守れ!

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 安倍晋三政権が憲法を改正しようとするなかで、憲法談義が喧(かまびす)しくなっている。

 北朝鮮の核、中国の脅威が募り、米国が「アメリカ・ファースト」のもとで、同盟諸国に応分の国防責任の分担を迫っている。

 日本は国際環境の激変に合わせるために、憲法のごく一部を修正しなければならない。

 ところが、野党は憲法を軽んじている。野党は10日に閉会した臨時国会で、憲法改正を論じる憲法審査会での実質論議を拒否した。もし、国民に護憲を訴えたいなら、なぜ、審査会の場で「米軍による占領時代に戻るべきだ」と堂々と主張しないのか。

 米中“新”冷戦が、日本とアジアの未来を決めることとなる。米ソ間の冷戦は陸上を舞台にしたが、米中冷戦の舞台は、米国がハワイに司令部を置く「太平洋軍」を、先日「インド太平洋軍」と改名したように、海だ。

 政府は今月、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも型」を、最新鋭ステルス戦闘機「F35B」が発着する事実上の空母に改装することを決定した。日本が対日講和条約によって独立を回復してから、66年もたってから、空母が、旭日旗をひるがえして、日本の守りにつくのだ。

 だが、岩屋毅防衛相がこの改修に当たって、「任務に応じて戦闘機を載せても、攻撃型空母にあたらず、他国に脅威を与えない」と述べた。読売新聞によれば、「必要な時だけ、戦闘機を搭載する方針」だそうだ。

 さらに、自民・公明与党間で「改修はあくまでも専守防衛の範囲内である」ことを明記した、「確認書」が交わされた。

 常時、艦載機を載せないで、訓練、運用に支障がないのか。危機が迫ったと判断してから載せたら、どうして専守防衛になるのか。

 「専守防衛」という言葉は、英語をはじめとする外国語に、訳することができない。国家の安全と国民の生命を、まったく無意味な言葉に預けてよいものだろうか。

 中国、北朝鮮以外のアジア諸国は、常時、艦載機を載せても脅威と感じまい。中国や北朝鮮、韓国を刺激してはならないというのは、近くの暴力団の事務所を刺激してはならないというのと同じで、3カ国に失礼なことだ。

 平成が31年で終わる。この間、北朝鮮から拉致被害者を救えなかった。もし、日本が独立を回復した後に、日本の経済規模の半分しかない英国やフランスと同じ軍事力を持っていたら、国民が国土から拉致されなかった。拉致被害者は「日本国憲法」の被害者なのだ。 =おわり

 ■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書・共著に『神道が世界を救う』(勉誠出版)、『新・東京裁判論』(産経新聞出版)など多数。

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