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韓国政府を相手取り元徴用工ら1103人が集団訴訟…日韓請求権協定に合致する 今年1年は「教訓に満ちた年」

 戦時中に日本企業に徴用されたとする韓国人とその遺族ら1103人が20日、韓国政府を相手取って、総額約110億円の補償金の支払いを求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。

 私は以前、このコラムで、いわゆる「元徴用工」をめぐり、新日鉄住金に賠償金の支払いを命じた韓国最高裁の判決について、日韓請求権・経済協力協定の趣旨に反し、「信じがたいものだ」と書いた。

 同協定は「完全かつ最終的に解決された」と明記する。1965年に協定を結ぶとき、韓国側は徴用工の請求権などを個別に解決するよりも、「一括して」日本側から資金を受け取り、韓国政府が対応することを望み、無償資金3億ドルを日本側は支払った。

 韓国政府はその後、請求のあった元徴用工やその遺族らに慰労金や補償金を支払ってきた。

 冒頭に述べた訴訟は、韓国最高裁のおかしな判決とは異なり、日韓協定締結の経緯、その後の韓国政府の対応に合致するものである。

 日本側は、14日の日韓議員連盟と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の会談や、24日の日韓の外務省局長級の協議でも、「元徴用工問題は解決済み」との日本政府の考えを伝えた。いずれにしても、対話を通じて韓国政府の適切な対応を促し、冷静に見守ることが大切だ。文政権の対応が注目される。

 さて、まもなく平成最後の年末年始を迎える。この1年の永田町を振り返ると、実に「教訓に満ちた年」だった。

 第1は、通常国会のすべり出しが「モリカケ」問題に終始し、財務省が公文書改竄(かいざん)の責任を問われ、最高幹部が辞職したことである。まさに、「九じんの功をいっきにかく」(=仕上げを怠ったために全部ダメにすること)事態に、じくじたるものがあった。為政者が「信なくば立たず」を肝に銘じなければならない。

 第2は、働き方改革が、日本人にも外国人にも問われたことである。

 長時間労働の是正や柔軟な働き方を認め、働く人々の健康を守り、生産性を上げる改革への元年となった。課題の多い外国人の技能実習制度から、人手不足に対応し、外国人と日本人が共生できる社会を目指す制度につなぐ道を開いた。

 法制度を作るスピード感ばかりでなく、丁寧な合意形成の努力が必要だと痛感した。

 第3は、日中、日露など、冷戦時代の距離感を大きく近づける外交が展開されたことだ。

 日中は、平和友好条約締結40周年を機に、安倍晋三首相の訪中をはじめ幅広い交流が進み、来年は習近平国家主席の訪日実現が期待される。

 日露は、安倍首相と、ウラジーミル・プーチン大統領との首脳会談を重ね、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結を加速するとの合意に至った。来年の交渉の前進を期待したい。

 中露との関係改善は、地域と世界の平和と安定に寄与するとの大局観が大切だ。

 年内最後の連載となる。ご愛読いただいた皆様に感謝申し上げたい。(山口那津男・公明党代表)

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