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ついに禁煙…岩松了さん、新作は「初めてたばこなしで書いた作品」

★ゲスト 演出家・俳優、岩松了さん(下)

 「書くだけではストレスが溜まる。演出や役者の仕事をするのは人と直に関わりたいから」というお二人。外語大でロシア語を学んだ以外にもそんな共通点があるのだ。

 島田 共通点といえば、お互いたばこが欠かせないタイプですが、岩松さんは今年2月に禁煙されたそうですね。

 岩松 医者からいろいろ言われてついに屈してしまいました。それまでは1日5箱ぐらい、本を書くときも芝居の稽古中も吸っていたので、今も執筆したり一人で考え事をするときなど無性に口さみしくなります。つくづく「たばこは俺らの仕事に欠かせないなあ」と思いますよ。今ちょうど新作を書いている最中ですが、これが初めてたばこなしで書いた作品になります(笑)。

 島田 来年3月にシアターコクーンで上演する作品ですね。

 岩松 「空ばかり見ていた」というタイトルの、男女の恋愛に内戦をからめた芝居です。

 島田 日本は西南戦争以来内戦のない国なので、どういう描き方になるのか楽しみです。

 岩松 どれだけ内戦をリアルに描けるかわかりませんが。

 島田 演出家・岩松了はどういう感じですか。

 岩松 けっこう繰り返し稽古するタイプですよ。若い頃は厳しくやることもあったけど、最近は丸くなりました。禁煙したので投げる灰皿もないし(笑)。島田さんがオペラや演劇の演出をしたときはどうでしたか?

 島田 オペラはスコアがあるので、歌手に指導するというより最も映える構図を作ってあげるのが演出の役目だったりするんです。演劇は、芸達者がいたらその人にカデンツァ(即興)でやってもらうような開かれた感じは好きですが、一応、役者の演技と音楽などとの兼ね合いをきっちりしたいタイプではあります。

 岩松 私は劇作家、演出家といわれますが、演劇は作家が一番上のように言われることには非常に違和感を覚えます。やはり演出家が一番“だまくらかし”が上手でないと成立しない世界なので。

 島田 演出オンリーで引っ張っていく蜷川幸雄のような。

 岩松 そういう演劇人がもっとたくさんいてほしいですよね。そういう人がいれば、私も演出まではしないかな。

 ■岩松了(いわまつ・りょう) 1952年長崎県生まれ。東京外国語大学ロシア語学科中退。89年「蒲団と達磨」で第33回岸田國士戯曲賞のほか、演出家、俳優としても様々な受賞歴を持つ。最新作・演出作品「空ばかり見ていた」が来年3月9日より東京・大阪で公演。

 ■島田雅彦(しまだ・まさひこ) 1961年東京都生まれ。東京外語大ロシア語学科卒。83年「優しいサヨクのための嬉遊曲」で小説家デビュー。2003年法政大国際文化学部教授に。「ニッチを探して」「傾国子女」「暗黒寓話集」「カタストロフ・マニア」ほか著書多数。

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