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救急隊員研修中のできごと

■ロシア医大生シンガー、ジュリア・ミント

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆様!

 シンガーであると同時にロシアの医大生でもある私は、医学の研修機会を国家から与えられます。最近、救急車に乗りながら救急隊員の研修をしてきましたので、今回はロシアの救急隊員のお話です。

 ロシアは通常、救急車には3人1組で乗車します。内訳は、1人の運転手、1人の医者、1人の救急医療隊員で、一緒に現場へ向かいます。通常、運転をする隊員以外は男女共に働くことができます。

 私はその職場で数多くの女性を目にしました。時には、ファッションモデルのような美しい外見と、非常に強い内面を持った若い女の子にも出会いました。ちなみにロシアでは、救急隊員は決して高い給料がもらえる仕事ではありません。

 さて、私が自分で受けた最初の緊急コールは、午前中の早い時間でした。電話口の老婦人は狼狽した声で孫を助けるように求めてきました。そこで私たちは急いで連絡があった場所に駆けつけました。

 私たちが現場である家に到着し、老夫婦に案内された部屋に入ると、ベッドに横たわっている若い男が目に入りました。

 昏倒している彼の顔はほとんど白く、唇は青く、その症状には薬物の過剰摂取の兆候がありました。呼吸はしていましたが、外部の刺激に反応しなかった孫の姿を見て立ちすくむ祖父母の横で、すぐに私と女医は彼の腕に注射をする準備に取り掛かりました。

 その間、祖父母は、仕事から帰ってくると部屋に閉じこもり音楽ばかり聴いている24歳の孫の過保護について、お互いをなじりあっていました。

 そして、注射の用意ができて、私が彼の腕を持とうとした、正にその時、それまで全く反応しなかった孫が突然ベッドから飛び出して、脱兎のごとく、家の外に逃げていったのです。結局、私たちは何もできずに、孫は途中でいなくなってしまった、という報告書を祖父母に署名してもらうだけで帰ることになりました。

 その後、いくつかの交通事故の処理に忙殺された私たちは、真夜中に一本の緊急コールを受けました。

 「ウラルマッシュ地区で血だらけの男が倒れている」

 それを聞いた時、私の心に一瞬恐怖の感情がよぎりました。だってそこは…。

 この続きは次回に…。

 では、ダフストレーチ(また会いましょう)!

■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルグの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。(crystalmint.info)

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