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想定外の急激な円高…有効的な抑制策は? キーワードは「ゆうちょ銀行」

 年初1月3日に米国株式市場で「アップル・ショック」が出来したことで、日米株価同時急落だけではなく、日本は想定外の急激な円高に見舞われた。外国為替市場は円高・ドル安が進行し、対ドル円レートが107円台から104円まで急騰する驚きの展開となった。

 金融専門家の説明によると、外国投資家に加えて日本の「ミセス・ワタナベ」(=個人投資家の中で資産運用に関する専門知識やノウハウを持たない主婦層など素人投資家)の円売りポジションの損切りが一気に集中したからだという。

 それはともかく、安倍晋三首相が公約通りに10月から消費税率10%を実施するかどうかは、3月中旬ごろの株価と為替次第と言っていい。

 18日の日経平均株価は2万0666円07銭で引けた。同日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=109円台前半で取引された。

 現在、世界の景気減速感を反映して原油は1バレル50ドル台まで上昇しており、米金利も徐々に引っ張られている。

 そこへ、「米中貿易交渉の先行き不透明」「メイ英政権の欧州連合(EU)離脱案が議会否決」で混迷が続き、そして、より深刻な「中国経済の減速」が加われば円が100円を抜ける円高の展開は否定できない。

 こうした円高リスクが高まる中で、安倍政権にとって、政治摩擦を招かず、有効的な円高抑制策はないのか。

 筆者の友人である、在京米国人金融アナリストの提案に耳を傾けてみたい。

 キーワードは「ゆうちょ銀行」である。日本郵政グループ傘下のゆうちょ銀行(池田憲人社長)による低手数料外貨建て預金の販売を、同氏は強く促す。外貨建て預金とは、円をドルなど外貨に換えて日本より高い金利で運用する預金のことだ。

 外貨運用は、預金に加えて債券、外貨建て投信、あるいは為替証拠金などを通じて、すでに日本では幅広く行われている。

 ところが、外貨預金は他の商品に比べてコストが高いのだ。メガバンクの外貨預金為替手数料は外貨売り、買いそれぞれ1円(100銭)である。新興のソニー銀行や楽天銀行は15~25銭。加えて、運用金利でも過剰な手数料を取っている。

 970兆円ある一般家計の現金・預金残高のわずか2%が外貨預金に回っただけで、20兆円弱の円売りにつながる。話を戻せば、ゆうちょ銀行の預金残高の5%でも外貨投資に回せば9兆円の円売りとなる。地盤沈下の金融庁(遠藤俊英長官)は乾坤一擲の“行政指導”をやるべきではないか。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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