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レーダー探知音、元自衛官が分析 「軍事のプロが聞けば分かる」

 防衛省は21日、韓国海軍駆逐艦による危険なレーダー照射問題で、海上自衛隊哨戒機が記録したレーダーの電波信号を変換した新証拠「探知音」を公開し、韓国との協議打ち切りを発表した。かつて航空自衛隊と海自の現場を指揮した「軍事のプロ」2人に見解を聞いた。

 航空自衛隊の空将だった織田邦男氏は、中国軍機が2016年、東シナ海上空で航空自衛隊機に前例のない「攻撃動作を仕掛けた」と、インターネット上のニュースサイトで激白し、国民に安全保障上の危機を伝えた人物でもある。

 防衛省が公開した「探知音」について、韓国側は「探知日時や方位、周波数の特性などを全く確認できない」などと反発している。

 織田氏は「探知音は専門家が聞けば(火器管制用レーダーの照射だと)分かる。これに加えて、韓国側の正確な周波数や波形情報まで公表すれば、困るのは韓国だ。韓国が万が一、日本を敵視して有事にでもなれば、こちらは韓国の電波にジャミング(邪魔)をかけられる。韓国のレーダーは使い物にならなくなる」と語った。

 防衛省が、韓国側の反論を待たず「最終見解」を出したことに、織田氏は異論がある。

 「日本側が『これで終わりだ』とすると、韓国に『これ以上、日本は出すものはないんだ』と理解され、逆に日本は『弱み』と感じることにもなりかねない。韓国側が非を完全に認めない限り、こちらは持てる情報・証拠は出す構えは示し続けるべきだ」

 そのうえで、織田氏は日本が強気に出て、韓国の主張に変化を促すべきだと訴える。

 「韓国が相変わらず謝罪を求め続けるようなら、交渉のテコに、こちらが把握している韓国の情報を的確なタイミングで出し、したたかになるべきだ。いずれ、韓国も『やはり日本は友好国だからなあ…』と折れる可能性はある」

 ■「韓国の非を言い続けるべきだ」

 護衛艦「あきぐも」艦長や、第3護衛隊司令、海自情報業務群司令などを歴任した元海将補、末次富美雄氏は、防衛省の公開したレーダーの探知音について「軍事のプロが聞けば、誰が聞いても、火器管制用レーダーだと分かる」と語った。

 「これ以上は不毛だとして、日韓防衛当局間の協議は打ち切りになるが、なおも相手が認めず、反論してくるなら、日本側はあくまで客観的な事実をもとに『こちらが正しい』と言い続けるべきだ。音のデータを出して終わり、ではない。現場海域で韓国駆逐艦が何をしていたかなど、疑問も残る」とも述べた。

 そのうえで、「海外の軍事外交専門誌などに、日本の正当性を訴える論文を出すなど、国際宣伝戦を展開し、韓国の非を言い続けるべきだ。日本の安全保障政策では朝鮮半島が他国の出先になり、不安定になるのは困る。それだけに韓国と直接、ぶつかるのは避けるべきだが、こちらが大人の対応をしても、その『甘さ』につけ込むのが韓国だ。難しいが、覚悟を持って対応すべきだ」と強調した。

 防衛省が明らかにした最終見解のポイントは次の通り。

●火器管制レーダーの電波を音に変換した記録を新証拠として公開。

●P1哨戒機と韓国駆逐艦が最接近した際も高度約150メートル、距離約500メートルを確保

●昨年4月以降、今回の駆逐艦を3回写真撮影したが、韓国側が問題提起したことはない

●韓国側は事実と全く異なる主張を繰り返し、客観的、中立的な事実認定に応じる姿勢が見られない。実務者協議を続けることは困難と判断

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