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新築ラッシュ続くホテル、稼働率は何と94・7%! 中国富裕層をいかに迎えるか

★マカオに学べ 片山真

 IRを構成するホテルの建設ラッシュが続くマカオで、驚きのデータが出てきた。マカオ政府統計調査局が1月30日に発表した「昨年12月および通期のホテル宿泊客関連統計」によると、12月の平均ホテル客室稼働率(ペンサオンと呼ばれる中級宿泊施設を含む)が「94・7%」の高さを記録したのだ。

 マカオのカジノライセンスが外資に開放されたのが2001年。以降、カジノホテルの建設が続き、マカオ半島からタイパ地区、そして埋め立て地のコタイ地区まで大型ホテルが立ち並んだときには、いずれ供給過多に陥るのでは、と心配になったほどだ。

 しかし、中国の反腐敗運動の影響で足踏みした時期はあったものの、15年からは再びホテルの新規開業が相次いだ。

 エッフェル塔を擁するパリジャン・マカオに、ウィン・パレス、MGMコタイ、そしてシティオブドリームズ~モーフィアス…。多くのスイートルームを備えた5つ星ホテルが誕生し、豪華な部屋から予約が埋まっていくのだ。

 先のデータをホテルの等級別に分類すると、5つ星の客室稼働率が95・6%で4つ星の同94・2%を上回る。カジノのバカラテーブルで1回1000香港ドル(約1万4000円)程度の勝負は序の口の中国人旅行客にとっては、スイートルームの1泊5万~6万円なんて、大した金額ではないのだろう。

 今月1日に政府から示された「IR整備法施行令(案)」は、こうした海外IRの傾向をしっかりと捉えている。カジノ誘致を目指す自治体が、誘致に向けて作成する「区域整備計画」の土台になるものだけに、IRの中核をなす施設の基準や要件が、具体的な数字をあげて示されているのだ。

 特に注目されるのは、ホテルに関する条文。「全ての客室の床面積の合計が、おおむね10万m2以上であること」と明記された。ちなみに地上43階、地下3階の東京ドームホテルが床面積10万5856m2だ。これに匹敵する、非常に大きなスケールのホテルがイメージされる。

 さらに、「客室の総数に占めるスイートルームの割合や、その最小床面積が適切なものであること」と、ハイグレードな客室の設置をIRの要件にあげている。

 日本のビジネスホテルのシングルルームの広さは10m2~12m2といったところ。IRでリゾートムードに浸るには、最低でもこの3倍以上の広さが要求されるだろう。帝国ホテルのスーペリアルームが32m2。安倍首相がお気に入りのグランドハイアット東京は、標準的な客室が42m2だ。いまや、マカオの4つ星~5つ星ホテルはこのレベルがスタンダード。クラブフロア(特別階)の専用ラウンジやフィットネス施設には高級感が漂っている。

 昨年、3100万人を超えた訪日外国人客のうち、838万人、26・9%を中国からの旅行客が占めていた。そのなかでも富裕層はスイートルームを好んで利用する。写真左のモーフィアス・ホテルのエグゼクティブ・スイートは80m2以上。グランド・スイートは151m2で、カジノで高額の賭けをしてくれる“ハイローラー”には、もっと広くゴージャスな部屋が用意されている。

 IRの稼ぎどころがカジノであることは疑いようがなく、そのお客さま=海外からの富裕層へのおもてなしが、日本版IRの発展の大きなカギを握っている。(ギャンブルライター・片山真)

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