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その場しのぎで終わらせてはならない「児童虐待対策」 関係機関の連絡不足痛感

 千葉県野田市で先月、小学校4年生の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で亡くなり、両親が傷害容疑で逮捕された事件は、あまりにも悲惨だ。心愛さんのご冥福を心からお祈りいたします。

 柏児童相談所をはじめ、野田市の学校や教育委員会、地元の警察などに適切な連携と総合的な判断があれば、心愛さんの命を救う手立てはあったように思われる。

 安倍晋三首相は8日に開いた関係閣僚会議で、全国の児童相談所などが把握している「虐待が疑われるすべてのケース」について、1カ月以内に緊急の安全確認を行うように指示した。その後、直ちに、大口善徳厚労副大臣と、浮島智子文科副大臣を野田市に派遣し、関係者から詳細な聞き取りを行った。

 2000年に児童虐待防止法が制定された当時と比べ、児童相談所に寄せられる相談件数は約10倍と増える一方である。それに比べて、相談に乗って対応に当たる職員の数は不足している。

 人員を増やせば済むわけでもない。虐待は親にも子供にも課題があるため、うまく対応するには専門知識を持った児童福祉司などの有資格者を増やし、経験を積むことが必要となる。

 政府は、来年度から3カ年で2020人の児童福祉司増員を計画していたが、今回の事件を受けて来年度中に1070人の前倒し実施を決めた。人員の量と質を確保し、経験による対応力を高めることが重要だ。

 事件で痛感するのは、関係機関の連絡不足である。情報を共有し、誰がどう動けば効果的か、連係プレーができるようにしなければならない。

 これまでも痛ましい事件が起きるたびに、取り組みの強化が叫ばれてきた。07年の法改正のとき、現場で聞いた児童相談所の責任者の「子供の保護だけでなく、親のケアを含めて本気でやらないと根絶できません」という言葉を思い出す。その場しのぎの取り組みに終わらせてはならないことを肝に銘じたい。

 厚労省の「毎月勤労統計」をめぐる予算委員会の論戦が続いている。

 野党は、統計の不正調査を取り上げ、「アベノミクス偽装だ」と批判する。「同じ事業所の実質賃金が前年と比べてマイナスであれば、アベノミクスは失敗であり、それを隠している」と言いたげである。

 しかし、アベノミクスの成果で注目すべきは、働く人に支払われる賃金の総額である「総雇用者所得」が増えていることである。

 例えば、正規で働く父親だけの賃金に頼る家庭が、専業主婦の母親が非正規で賃金を得るようになると、親の平均賃金は下がるが、子供から見れば、食卓のおかずが増えて小遣いも上がり、生活は楽になったと実感するのである。

 野党の主張は、「父親の賃金が少し増えても、物価の影響で暮らしの実感は良くなっていない」とこだわるが、母親が働くようになって、家庭全体の生活が楽になったという説明の方が、はるかに説得力がある。

 現に、民主党政権時代に就業者数は激減したが、自公政権になって300万人以上増え、総雇用者所得は増加した。その分、消費が増え経済全体が活性化した。アベノミクスは、この点で確かな成果をあげている。(公明党代表・山口那津男)

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