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ディーラーは狙った数字に玉を落とせるのか?

★大人が少年に返る場所(2)

 機械化や自動化が著しい現代では、カジノも次々と機械化され、一部のカジノではバーチャル(CG)のディーラーが働いている。そんな時代となった今でもラスベガスでは人間がディーラーをしている。

 ブラックジャックやバカラでは、ディーラーがカードの順番を変えることはできないため、人間でもCGでもあまり変わりはない。だがルーレットとなると話は別だ。玉の行方はディーラーにかかっているからだ。

 などというと、「玉の行方は偶然だ」と反論する人が必ず出てくる。もちろん理屈の上ではその通りだが、本物のカジノでは偶然にしては出来すぎていることがたびたび起こる。

 2000年9月のこと。前回書いた話と同じベラージオでの出来事だ。ディーラーが交代してから赤ばかりが連続し、あれよあれよという間に23回も連続で出た。ぼくはゲームの結果をカジノ備えつけのカードに記録しているが、そこにはいろいろ書き込んでいるため、見やすくしたものが【図1】だ。

 その後ゲームは黒(2)を1つ挟んで赤が5連続し、最後にもう一度黒が出たところでディーラーは交代となった。30回のスピン中、赤が合計28回も出たのだ。カジノに一日いれば、赤や黒ばかりが5回や10回続くことはある。しかし23回連続となるとなかなかない。

 しかも彼が出した出目は単に赤ばかりというだけではなかった。数ゲームしたところでぼくはあることに気づいた。このディーラーはもしかすると、とんでもない技術の持ち主かもしれない…。

 ■まるで「隠し絵」のような出目

 みんなも「隠し絵」を見たことがあると思う。何の変哲もない野原の風景の絵を少し斜めから見ると、そこに老女の顔が見えたりする描写技法のことだ。

 ディーラーが彼に交代し、はじめのうちは赤ばかり出す人だという程度に思っていた。つまり彼の出目が野原の絵に見えていたのだが、出目をきちんと追っていくとまさかの事実が現れた。

 まず【図1】の青線で囲んだ「1」「3」「3」「36」にご注目いただきたい。それを回転盤上に示したのが【図2】で、「36」を挟むエリアに集中している。アメリカンルーレットでは数字が全部で38個あり、「1」「3」「36」は連続する5個の数字に含まれるが、5個といえば回転盤の7分の1よりも狭い範囲。そこに4回続けて落ちている。

 さらに2つ飛んで「34」から「3」までの5つの数字にご注目いただきたい。「23」を除く4つの数字「34」「36」「3」「3」が、やはり回転盤上の連続するエリアに集中している【図3】。

 ギャンブルをしない人に言わせれば、これもただの偶然に過ぎないのかもしれないが、これを偶然と思わないのがギャンブラーだ。しかもディーラーはそのことを知っている。その後も彼の腕はさえ渡った。 =つづく(作家・松井政就)

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