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米朝首脳会談…同じ船に乗るトランプ氏と正恩氏 キーワードは北朝鮮に眠る「驚くべき資源」

 ドナルド・トランプ米大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は27、28日、ベトナムの首都ハノイで2回目の首脳会談を行う。

 世上では、米朝首脳会談はトランプ氏が前のめりで、正恩氏のペースで進められるのではないか-と懸念する向きが多い。

 果たして、この指摘は正しいのか、検証してみる。

 注視すべきは、同首脳会談実現に向けて繰り返された、米朝実務者協議の米側代表であるスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が1月31日、米スタンフォード大学で行った講演(全文3800語)である。

 注目すべき箇所は、次のフレーズだ。

 「トランプ大統領が、金正恩委員長に(シンガポールで)会ったとき、堅固な経済開発が北朝鮮にどのような意味を付与するかについてビジョンを示しました。それは、朝鮮半島の驚くべき資源を利用して構築される投資、外部との交流、そして貿易などの明るい未来と、計画の成功のためのわれわれの戦略の一部です」

 キーワードは「驚くべき資源」である。

 トランプ氏は2月8日のツイッターで、首脳会談の開催地がハノイに決まったと明らかにした。

 と同時に、かつてミサイル実験を繰り返す正恩氏を「ロケットマン」と揶揄(やゆ)したが、このツイッターでは「北朝鮮は違うロケットに、すなわち経済のロケットになるだろう」と、ヨイショしたのだ。

 では、困窮する北朝鮮経済を「経済のロケット」にする「驚くべき資源」とは、いったい何なのか。

 米地質調査所(USGS)や、日本貿易振興機構(JETRO)などの「資料」によると、半端ない量のマグネサイト、タングステン、モリブデン、レアアースなどのレアメタル(希少金属)が埋蔵されているという。

 さらに、石油の埋蔵量も有望とされる。だが、「千三つ」(=試掘井を1000カ所掘削しても3カ所出るかどうかの確率)と言われるほど投資リスクが高く、高度の掘削技術が必要である。米国が構想しているのは、エクソン・モービルなど米石油メジャーとの共同開発なのだ。

 一方のレアメタルについても、中国の習近平国家主席が進める「宇宙強国」構想に負けないためにも、宇宙・航空産業が喉から手が出るほど欲しい。

 遠くない将来、かの地で採掘・精製施設建設まで実現できれば、計り知れない「利」が期待できる。地政学的に採算ベースに合うのだ。

 トランプ、正恩両氏は同床異夢であれ、取りあえず同じ船に乗ろうとしているのだ。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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