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温故知新、一周回って新鮮な名前… 「王子様」改名でキラキラネーム時代に終焉か

 海の王子が陸の王子を目指している時(K室さん?)、タイミング良いニュースが飛び込んできました。王子様の名を、自ら捨てた方がいます。つまり王子様が本名で、郵便の宛名は「○○王子様様」になります。これはちょっと困りますね。

 せめて王子だったらとも思いますが。「様」までつくと、いじめられたり、からかわれたりと、マイナス面が多かったそうです。結果、家族と協議し「肇」(はじめ)に改名しました。これは新たに、はじまるという意味です。

 というわけで、平成をキラキラネームの時代として捉える。そういう話をしたいと思います。

 バブル崩壊で始まった平成は、現実が厳しいので子供に夢を託す意味で、個性的な名前が流行りました。最初は国際化を視点に、舞人(まいと)や亜梨栖(ありす)のような、洋風の発音にして、海外でも通用する名前が、注目されました。そこから当て字のオンパレードになりますが、ウケるとすぐにAV嬢や、キャバ嬢、ホストの源氏名になってしまいがち。結局キラキラネームは発展と衰退、消滅が繰り返され、微妙なポジションとなります。

 結果、判読不能な名前も増え、混乱が増し、このまま続けていいものか、名づける親も、考えるようになりました。

 分岐点はAKB48の活躍でした。大島優子や前田敦子など、使い古された「子」のつく名前が新鮮に感じ、しかも堂々と名乗っている。これは逆張りをした方が、インパクトが強いのかも。決定的になったのは、広瀬すずの人気でしょう。古風なひらがな表記の名前が、目新しく見えるから不思議です。ここあたりから温故知新、一周回って新鮮な名前の、再検討がなされたのです。

 分かったことは、名前だけ派手にしても、実態が伴わないと、逆に名前負けして、マイナスも多くなるということです。

 最初から子供に、プレッシャーを与えたんですね。名前は名づけて20年後ぐらいに、どんな評価を得るのか。長いスパンで、考えたいです。

 イチロー選手だって、本名は鈴木一朗です。一番ありがちな名前が、世界トップクラスの選手になれるのです。今回の王子様改名騒動は、名前で困っている人が15歳から、正統な手続きを踏めば、変えられることを、世間にアピールできた。それの功績が一番大きいです。

 結局、平成の三十余年間で分かったことは、名は体をさほど表さない。そういうことかもしれません。

 ■木村和久(きむら・かずひさ) コラムニスト。漫画原作者。近著「教えて!100切り先生」(集英社インターナショナル)が絶賛発売中。

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