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大阪ダブル選 「政策」放り投げ自民党支援…まさに無責任の極み

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 産経新聞社とFNNの合同世論調査(16、17日実施)で、大阪府の松井一郎知事(日本維新の会代表)と、大阪市の吉村洋文市長(大阪維新の会政調会長)が、市長選と知事選に入れ替わって出馬する「ダブル選挙」に対し、近畿ブロックに限っても、「支持しない」が48・8%に上り、「支持する」の38・3%を約10%上回っている。「大阪都構想」については、支持と不支持が拮抗(きっこう)している。

 このダブル選挙で奇怪なことが起こっている。それは日本共産党が、天敵とも言うべき自民党の推薦する候補を自主支援するというのだ。

 志位和夫委員長は、「ダブル選挙」を党利党略選挙だと批判し、「『都構想』阻止、『カジノストップ』という大義を掲げ、『維新政治』に終止符を打つ」と表明してきた。それが自民党候補支援とどうつながるのか。

 日本共産党大阪府委員会が18日に発表した「見解」によれば、知事選挙に出馬する小西禎一元副知事が大阪都構想に反対し、「維新政治」に疑問と批判を持っているという。だが、カジノ問題では「大阪にカジノはいらない」との立場にはいたっていないというのだ。大義の1つであるカジノ問題では、立場が違うのだ。

 この大義まで捨てて自民党候補を支援するということこそ、党利党略そのものではないのか。

 自民党推薦で大阪市長選挙に立候補する柳本顕氏についても、「『都』構想に終止符を打つため、参院選自民党公認候補を辞め、無所属で立候補したことにも留意し、自主的に支援する」というのだ。こんな推薦理由など、見たこともない。首長選挙に出馬する際、政党の公認を辞退するという例は山ほどある。

 「見解」では、「これは政策や立場の違いを超えて、『維新政治を転換してほしい』という府民の願いを受け止めてのものである」と説明している。有権者にとって、その候補者がどういう政策を掲げ、どういう政治的立場に立っているかは、最も重要な選択基準ではないか。それを放り投げるというのだから無責任の極みである。

 要は大阪維新の会から、首長の座を奪い取るためには手段を選ばないということなのだ。

 この共産党の態度に整合性などというものはない。共産党の統一地方選政策アピールの第一の柱に、「安倍政治に審判をくだし、新しい政治を切り開く選挙に」とある。地方選挙で、安倍政治への審判という無理筋は置いておくとしても、片方で安倍自民党政治への審判を掲げ、他方では、その自民党と組んで選挙を戦う。党員は足がもつれるしかあるまい。

 ■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ) 1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』(イースト新書)など。

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