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地方選政策に「安倍政権への評価」入る謎… 柱に“国政の課題”ばかり

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 1月18日に日本共産党の「暮らしに希望を 力あわせ政治を変えよう」というタイトルの「統一地方選挙政策アピール」が発表された。私は、大きな違和感を持った。

 その第1の柱が、「安倍政治に審判くだし、新しい政治を切り開く選挙に」ということだったからだ。その中には、「こんな内閣は一日も早く終わらせようではありませんか。日本共産党の躍進は、安倍政治への最大の痛打です。そして、安倍政治に代わる新しい政治への選択となります」とある。

 共産党が主観的にどう思うかは勝手だが、それぞれの首長選や道府県議選、市区町村議選で「安倍政権への評価」が主要な争点になることなど、あり得ない。ある村の議員選挙で「安倍政治への審判を」などと訴えれば、その不真面目さにあきれ果てられることになるだろう。

 第2の柱にも驚く。「消費税増税ノーの声を示す選挙に」とあるからだ。もちろん何を訴えるのかは、政党や候補者の自由である。だが、はっきりしていることは、消費税をどうするかは、あくまでも国政の課題であり、地方選挙でどういう結果が出ようとも、それは消費税増税についての有権者の意思を示したことにはならない。

 そして、第3の柱が、「『戦争する国づくり』を許しません」なのである。この項目では、大軍拡反対などが掲げられている。これも国政の課題である。

 当然、地方政治についての提案もなされてはいる。しかし、このアピールを見る限り、統一地方選をあまりにも党略的に位置づけているのではないか、との疑念を抱かざるを得ない。

 「消費税増税ノー」という共産党の主張も、もっともらしいが、おかしい。共産党はそもそも消費税の導入そのものに反対してきた。消費税が導入された翌年には共産党主導で「消費税をなくす会」まで結成している。

 共産党は税率3%の消費税が導入された際、猛烈に反対した。5%に引き上げられた際も国民の暮らしが破壊されるとして猛反対した。8%に引き上げられた際も同様だった。だったら掲げるべき政策は、「増税ノー」ではなく「消費税廃止」か、今なら最低限でも「5%に戻せ」でなければおかしいのではないか。だが、そうは言わないのである。

 本気ではなく、建前なのだと感じてしまう。導入も、その後の2回の増税も、「仕方がない」と是認してきたのだ。導入も増税も止める力はなかった。この政党に「増税ノー」の審判をと言われても素直には聞けない。

 ■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ) 1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』(イースト新書)など。

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