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共産党が高く評価していた「ベネズエラ社会主義政権」 結果は…国民生活の“破綻”

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 周知のように、いまベネズエラは、ウゴ・チャベス前大統領の後を継いだ、ニコラス・マドゥロ大統領の下で大混乱が発生している。何しろインフレ率が170万%というのだから、国民の暮らしは絶望的だ。

 だが、この左派政権を高く評価してきたのが、日本共産党であり、不破哲三前議長であった。2009年9月に出版された同氏の著作『激動の世界はどこに向かうか-日中理論会談の報告』(新日本出版社)を見れば明らかである。

 「ラテンアメリカの左翼政権・左派政権は、…どの国でも、政権の主力をなしているのが、科学的社会主義・マルクス主義の立場に立たない勢力」だが、「その左翼政権のなかから、『新しい社会主義』をめざすところが、ベネズエラ…など次々と現れている」「共産党がいないところでも新しい革命が生まれうるし、科学的社会主義の知識がなくとも自分の実際の体験と世界の動きのなかから、さまざまな人びとが新しい社会の探究にのりだしうる時代です」

 マルクス主義や共産党がなくとも社会主義革命は可能だというのだ。日本共産党の存在意義まで否定する大胆な評価だ。だが、実際はどうだったか。

 チャベス政権の下で格差と貧困問題の解決はできず、経済を破綻させてしまった。その後継のマドゥロ政権の下でも、議会の権力を奪い独裁色をますます強め、経済も国民生活も完全な破綻状態に落ち込ませている。

 気の毒なのは志位和夫委員長である。不破氏の大胆な評価の後始末に追われている。先月21日、「弾圧やめ人権と民主主義の回復を-ベネズエラ危機について」と題する声明を発表し、弁明せざるを得なくなったのだ。翌22日の赤旗1面にも掲載された声明は、冒頭で次のように述べている。

 「日本共産党は、南米ベネズエラのチャベス政権が発足当初、選挙をつうじて国民多数の支持を得ながら進めてきた変革のプロセスに肯定的に注目してきた」

 「肯定的に注目」などというレベルではない。“不破氏が天まで持ち上げてきた”と言うべきだろう。

 続いて、「しかし、同政権および後継のマドゥロ政権の失政と変質のもとで状況が変化し、市民の政治的自由と生存権に関わる人権問題が深刻化している」などと指摘し、とってつけたように「弾圧や抑圧をやめよ」と言っている。

 大事なことは、こんな弁明ではない。共産党や不破氏が、なぜ評価を誤ったのか。理由は明瞭だ。破綻が明確になった社会主義に、いまだにしがみついているからだ。この反省なしでは、また見誤るだろう。

 ■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ) 1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』(イースト新書)など。

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