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「3Y時代」の平成を教訓に… 令和で目指す「3S時代」

 新たな元号が「令和」と公表され、光格天皇以来、約200年ぶりとなるご退位による皇位継承に向けた手続きが進んでいる。

 希望に満ちあふれた「令和時代」となるよう、首都・東京もその役割をしっかりと果たしていかなければなるまい。

 平成元(1989)年の前後、私はキャスターとして連日、昭和天皇のご病状をお伝えしつつ、東西冷戦の終結を示す世界各国のニュースや、天井知らずの日本経済について伝えた。

 3万8957円の史上最高値をつけたのは平成元年の大みそかだった。

 バブル経済絶好調で、世界制覇も目前と思われたが、平成の時代では次々に現れる新しい世界のプレーヤーにお株を奪われ、わが国は深刻なデフレ経済へ。

 先日、亡くなった経済企画庁長官を務められた堺屋太一さんに言わせると、平成は「3Y時代」だったそうだ。「欲ない、夢ない、勇気ない」と。

 平成時代は阪神・淡路大震災、東日本大震災など自然災害も相次ぎ、西日本豪雨などの異常気象が列島を襲った。

 「令和」はこれらの経験と教訓を生かし、日本が再浮揚していく時代になると信じる。防災など、課題への対応は日本が得意とするところだ。

 令和時代は「3S」で行きたい。東京にとっての最初のSは「ソフト」。「ハード」を生かす「ソフト=頭脳」なしには、世界の都市間競争には勝てない。

 東京の場合、2020東京五輪・パラリンピック後のベイエリアの開発には、交通網などのハードを戦略的に動かすソフトが不可欠だ。

 次は「シンギュラリティー」のS。AI(人工知能)が人類の知能を超える転換点を意味し、2045年がその時点だとする予測がある。

 新時代における適切な仕込み次第で、東京が極東の島国の首都として残ることができるか、どうか。都民サービスもAIを活用し、さらに満足のいくものにしたい。

 最後は「ソーシャル」。人と人のつながりがあってこそ、町は活性化する。子育て、介護も、地域社会あってのこと。

 日本橋での創薬ベンチャー、渋谷などでのニュービジネス拠点、芸術に力を入れる池袋、匠の技と新技術を融合させる下町など、地域の特色を生かす。

 3月末、平成最後となる平成31(2019)年度予算が成立した。災害にも強い「都市力強化」、持続的成長に不可欠な「稼ぐ力の強化」、都市の活力の源泉である「人と人とをつなぐ」という、まさに「3S」の考えを抱合したものだ。

 平成最後の予算案を、令和元年の着実な執行で新時代の基礎を築いていきたい。(小池百合子・東京都知事)

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