zakzak

記事詳細

「シルク・ドゥ・ソレイユ」はラスベガスだけで6カ所公演

★IRのエンタメ力が待ち切れない!(3)

 前衛的なサーカス「シルク・ドゥ・ソレイユ」のファンは多いのではないだろうか。ちょっと物悲しいけど、夢にあふれた“新サーカス”。日本にもツアーショー(移動公演)の形で、たくさんのパフォーマンス・チームが訪れている。『サルティンバンコ』に『アレグリア』、『キダム』に『キュリオス』…。2008年から約3年にわたって、東京ディズニーリゾート内の専用劇場で『ZED』が公演されたこともあった。

 「シルク・ドゥ・ソレイユ」は、1984年にカナダのケベック州で設立された。フランスの探検家、ジャック・カルティエのカナダ発見から450周年を祝う会場でのパフォーマンスに、大道芸人だったギー・ラリベルテが目を奪われたのが始まりだ。

 「これはCirque du Soleil(太陽のサーカス)だ。太陽は若さとエネルギー、そして力の象徴だろ」

 ラリベルテはこのエンターテインメント集団をまとめ、アメリカツアーをスタートさせた。90年代初めにパリ、ロンドンでの公演を成功させると93年、全世界に向けて大きく飛躍するチャンスが巡ってきた。ラスベガスのホテル「トレジャーアイランド」(現ti)がこの集団を招致することを決めたのである。

 『ミスティア』と名付けられた新演目は、ホテルの専用劇場でシルク初のレジデントショー(常設公演)として上演されることに。それまで見たこともなかった前衛的なサーカスに、多くの人が足を運ぶようになった。

 シルクが知名度を一気に上げたきっかけはこれ。カジノで遊びたいお父さんが、家族連れでラスベガスを訪れる口実にもなったはずだ。同じ形態の常設公演は、ストリップ(ラスベガスのメーンストリート)に位置するほかのホテルへも広がっていった。

 『O(オー)』に、『ズーマニティ』『KA(カー)』『ザ・ビートルズ LOVE』、そして『マイケル・ジャクソン ONE』。そして『ミスティア』もそのパフォーマンスをブラッシュアップしながら、今もなお進化し続けており、現在、ラスベガスだけで6つの劇場で違った演目が上演されている。

 シルクというエンタメは、リピーターを生むIRのキラーコンテンツ。日本版IRでカジノが占める面積は全体の3%までと決まっている。カジノを取り巻く施設にどれだけの集客力があるかが、IR成功のカギを握っているのだ。ラスベガスという街でシルクが起こした化学反応は、IRのお手本といえるだろう。

 「ビッグトップ」と呼ばれるテント小屋(小屋と言っても収容人員は約2800人)で演じられるシルクの移動パフォーマンスは、どれをとってもワールドクラス。ただ、常設公演との違いがあるとすれば、大掛かりな舞台装置だ。常設の大規模劇場にはハイテク技術を駆使した装置を仕掛けることができる。

 98年からベラージオ・ホテルで上演されている『O(オー)』は、最初にそのメリットを最大限に生かした。続いて2004年からMGMグランドで公演をスタートした『KA(カー)』も、それに負けないド迫力。次回はこれらシルクの人気演目の中身を、ネタバレのない程度に紹介していこう。(ギャンブルライター・片山真)

関連ニュース

アクセスランキング