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公認会計士協会の会長選…はじめから「トーマツありき」だった!?

 日本公認会計士協会の会長に、監査法人トーマツの手塚正彦氏(57)が決まった。7月の定期総会で関根愛子現会長(60)と交代する。

 同協会の会長は、選挙で選出された理事の中から立候補者を募り、関根会長や会長経験者らで構成される「推薦委員会」が会長候補者を選定、それを新理事が承認することで決まる仕組みだ。

 手塚氏は1985年に東京大学経済学部を卒業後、中央会計事務所(=その後の中央青山監査法人)に入所し、パートナーなどを務めた。

 ところが、2005年10月に同監査法人がカネボウの粉飾決算事件に絡んで金融庁から監査業務停止処分を受けたことで経営危機に直面した。

 その後、同法人の理事、理事長代行に就任して再起にあたったが、07年7月に経営破綻・解散した。同年10月にトーマツに移籍してパートナーに就任、経営会議メンバーとなった。

 今回の公認会計士協会長選出に当たっては、有力法人の意向が大きく影響したとされる。

 この間の会長は、あずさ監査法人(増田宏一氏)→トーマツ(山崎彰三氏)→あずさ(森公高氏)→PwCあらた監査法人(関根氏)と、大手会計事務所から選出されてきた。

 実は、森氏が選ばれた13年には同じく大手の新日本監査法人から選ばれる順番だったが、オリンパスの巨額粉飾事件が表面化、監査を担当していた新日本から会長を出せなかった経緯がある。

 また、16年にも同法人が会長送り出しに意欲を見せたが、やはり担当していた東芝で巨額粉飾事件が発覚、PwCあらたにお株を奪われた。

 今回も「新日本から」という声があったものの、世界四大会計事務所の英アーンスト・アンド・ヤング(EY)の事実上の傘下に入ったことから、「日本の業界団体の長を送り出すのは不適切」という声が上がり断念していた。

 いずれにしても、このような経緯からトーマツは「次はうちの番」と公言していた。手塚氏ではなく、トーマツありきの会長選びであったということである。

 手塚氏は4月17日の記者会見で、「監査の信頼回復に努め、資本市場を揺るがす会計不正を二度と起こさないよう現場力の強化に尽力する」と語ったが、そのリーダーシップ発揮に懸念する向きが少なくない。

 それはともかく、あずさ監査法人はオランダのKPMGと提携しているが、外資からの独立性を維持している。では、民族系グローバル会計事務所は立ち行かないのだろうか。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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