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米「追加関税25%」表明で習政権“崖っぷち” トランプ政権“本丸”に中国の「覇権狙い」か 石平氏「『進むも地獄、止まるも地獄』の状況」 (1/2ページ)

 トランプ米大統領の追加関税表明が、中国の習近平国家主席を追い詰めている。米中貿易戦争再燃への懸念から米国株は急落し、8日の東京市場も前日に続いて大幅下落するなど世界株安が続いた。トランプ氏にとって関税は、貿易協議の交渉カードではあるが、真の標的は知的財産の収奪や強制的な技術移転、「一帯一路」構想、第5世代(5G)通信など、中国の覇権狙いの姿勢そのものだ。日本も米国との協力姿勢を鮮明にしており、「新冷戦」は本格化しそうだ。

 「対中協議の進展は遅すぎる」「(対中貿易赤字は)これ以上は認められない」-。トランプ氏はツイッターで中国への不満をぶちまけた。

 中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に対する追加関税率を10日に10%から25%に引き上げ、残りの輸入品にも25%の関税を「速やかに」課す意向を示すなど9、10日の米中閣僚級協議を前に、強烈な「トランプ砲」を放った。

 貿易協議は「90%を超える部分で決着した」(米国商業会議所幹部)とみられていたが、4月末の協議で中国側は、技術移転強要を防ぐ法整備の約束を撤回、ナバロ大統領補佐官ら対中強硬派が懸念していた「約束破り」が現実化した。

 激怒したのはトランプ氏だけではない。技術移転問題は解決済みと受け止めていたライトハイザー通商代表は「蒸し返された」と怒りを隠さず、穏健派のムニューシン財務長官まで「中国が大きな変化をもたらす協定の文言を削った」と問題視した。

 習氏は昨年末のトランプ氏との会談で、知的財産権保護や国有企業優遇の是正などの構造改革を約束したが、3月1日の期限を延長しても納得できる対応がないままで、米国側の不信感は極まっている。

 中国の裏切りについて、背景に国内からの有形無形の圧力があったとみるのは中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏。「3月の全国人民代表大会で、(習指導部が掲げる産業政策の)『中国製造2025』に一行も触れることができなかったのは習氏にとって屈辱だった。習氏はもう一度、立て直しを迫られたのだろう」とみる。

 中国側は米国産農産物やエネルギーの輸入拡大を打ち出しているが、トランプ政権が狙う“本丸”は、共産党が産業育成に関与する中国の経済体制そのものだ。

 海外企業に技術移転を強要したり、知的財産や情報を不当に入手するやり口を問題視している。5Gの通信技術や巨大経済圏構想「一帯一路」を名目にした中国の覇権狙いも米国にとっては見過ごすことができない問題だ。

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