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消費増税している場合じゃない!やはり悪化した景気動向指数 海外要因も足かせに

 内閣府が13日に発表した3月の景気動向指数は、一致指数が前月比0・9ポイント低下とやはり悪かった。筆者は、発表の1週間以上前に、0・5ポイント低下より悪い数字になると予測していたが、その通りになった。

 景気動向指数(一致系列)は、(1)生産指数(鉱工業)(2)鉱工業用生産財出荷指数(3)耐久消費財出荷指数(4)所定外労働時間指数(調査産業計)(5)投資財出荷指数(除輸送機械)(6)商業販売額(小売業、前年同月比)(7)商業販売額(卸売業、前年同月比)(8)営業利益(全産業)(9)有効求人倍率(除学卒)を採用し、これら9系列指標から機械的に算出するものだ。各指標のウエートは非公表であるが、数字を扱うエコノミストなら、おおよそのところを計算できなければいけない。

 今回は3月分の速報であり、(4)と(8)を除く7系列の数字を元に景気動向指数が算出されている。7系列のうち、(1)、(3)、(5)、(7)、(9)がマイナス、(2)と(6)がプラスに作用し、結果として0・9ポイント低下だった。また、トレンドを示す3カ月移動平均は、0・5ポイント低下だ。

 その結果、基調判断は6年ぶりに「悪化」だった。この「悪化」とは、景気後退の可能性が高いことを示し、原則として3カ月以上連続して3カ月移動平均が下降、当月の符号が前月比でマイナスになる場合であり、3月はまさにその基準による基調判断だった。

 なお、内閣府は、(4)所定外労働時間指数を除いているが、この数字は10日に発表されている。これも含めて景気動向指数を算出するのは容易であるが、なぜか除いている。この数字はマイナス要因であるので、確報ベースの3月の景気動向指数はさらに悪い可能性もある。

 景気動向指数と国内総生産(GDP)はかなり連動するので、1~3月の景気動向指数からみると、1~3月期GDP成長率はマイナスになり、2018年度のGDPもほぼ横ばいか、場合によってはマイナスになる可能性もある。

 現時点での政府の反応は、10月に予定されている消費税率10%への引き上げについては「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り引き上げる」と従来通りだ。

 菅義偉官房長官は「雇用や所得など内需を支えるファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)はしっかりしている」と指摘し、公明党の山口那津男代表は「悪化」判断を「軽視してはならない」との認識を示しつつも「内需、設備投資は良い傾向が出ている」としている。

 雇用、設備投資、所得などは、「遅行指数」といわれ、景気の後からやってくるものだ。これらが良い数字といっても、既に景気の下降局面であることは否定できない。

 国内の景気は良くないが、これから海外要因も景気への足かせになるだろう。米中貿易戦争は当面の出口が見えず、激化の様相だし、欧州ではブレグジット(英国のEU離脱)でも当面の混乱は避けられない。

 どう考えても、日本で消費増税している場合ではないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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