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米中貿易戦争めぐり『ミスリード』する日本メディア 中国との貿易戦争で敗北重ねた日本よ、覚悟はどうだ

 ドナルド・トランプ米大統領は10日、中華人民共和国(PRC)からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に対する関税を10%から25%に引き上げた。加えて、3805品目、3000億ドル(約33兆円)相当に対する追加関税の準備を開始させた。これまで対象外だった、スマートフォンやパソコン、おもちゃなどにも制裁関税が課される可能性が出てきた。

 多くの日本メディアは、米中貿易戦争という「暴挙」を、トランプ氏が1人で始めたかのようなニュアンスで報じているが、ミスリードだ。

 トランプ政権の対中制裁は米国で圧倒的支持を集めている。反対しているのは、米中合意に伴う大豆などの輸出増に期待した農家と、ウォール街の投機筋くらいだ。

 トランプ氏に敵対的な連邦議会でも、民主党議員まで支持している。米国の安全保障に関わる重大事であり、「今こそ手を打たないと、将来に禍根を残す」からだ。安全保障問題は「是々非々」で判断する点が、米民主党と日本の無責任野党の最大の違いである。

 日本メディアはPRCの不都合な情報に「報道しない自由」を行使しているように感じる。結果、危機感や警戒感が欠落した日本人が多い。

 一度、アマゾンで「ドローン」や「3Dプリンター」など、10年前には存在しなかった「ハイテク製品」を調べたらいい。開発段階では、米国人や日本人が深く関わった分野だ。今後の発展が確実なこれらの分野で、「中華製品」は圧倒的な人気とシェアを誇り、日米両国は壊滅状態だ。

 中華系国際ハイテク企業は、中国共産党とのコネで多額の補助金を得られる「国(党)策企業」である。豊富な資金で開発できるだけでなく、外資系企業からPRC進出の条件として技術移転させたり、産業スパイに盗ませた技術を入手できる。中華製品が世界シェアを拡大させてきたカラクリだ。

 米国はオバマ政権までは静観してきたが、トランプ氏は「汚い方法をやめろ」と立ち上がったのだ。PRCが安全保障上の脅威となりかねない深刻な危機感がある。

 ところが、劉鶴副首相は「中国は原則にかかわる問題では決して譲らない」と表明した。つまり、中国共産党は、タダ同然の技術入手こそが「核心的利益」だと考えている。

 その反作用として、家電や半導体、液晶などの分野で、日本の大企業はシェアを奪われ、倒産危機にひんした。東芝は事業を切り売りし、シャープは身売りした。米中貿易戦争に日本が巻き込まれるのではなく、日本は日中貿易戦争で敗北を重ねてきた当事者である。

 貿易戦争も戦争だ。米国は「欲しがりません、勝つまでは」の覚悟だ。日本の覚悟はどうだ?

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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