zakzak

記事詳細

外資参入で巨大ビル並び…“激変”するマカオの表と裏

★変化を続けるマカオ(1)

 長い間ギャンブルの島と呼ばれてきたマカオは、今や女性客を呼び込む一大観光地ともなっている。マカオ政府観光局もカジノという言葉はほとんど表に出さず、あくまで観光の街を前面に打ち出している。

 しかしカジノ売り上げ世界一が意味するように、マカオはやはりカジノの街であり、ギャンブルによって経済は成り立っている。

 この数年、マカオではさまざまな変化が起きてきた。人が増え過ぎてバスに乗れない。物価の高騰に所得の上昇が追いつかない。不動産価格が爆発的に高騰し、家に住めないマカオ人も続出した。

 しかも新たにできたホテルはどれも高級志向で、一般旅行者にはなかなか手が出せない。それらはみな、外資系カジノの参入がきっかけで起きているもので、その影響は文化や社会にとどまらず、島の形にさえも及んでいる。

 何事にも表と裏があるが、ぼくがこれまで目と足で見てきたマカオの両面について、今回から少しずつ紹介したいと思う。

 まずは写真=コタイ・ストリップ=をご覧いただきたい。

 一見、巨大で派手なホテルが建ち並ぶ通りを上空からヘリで撮影したように見えるが、実は大きなジオラマだ。ラスベガス・サンズがカジノホテルのベネチアン・マカオをオープンした際、マカオの未来図として展示したものだ。

 ここは「コタイ地区」と言われる場所。マカオは半島と2つの島で構成されるが、南に位置するタイパ島とコロアン島の間を埋め立て、2つの島の名前を取ってコタイと名付けられた。

 国分寺と立川の間に作った街に「国立」と名付けたのと同じ理屈で安易といえば安易だが、それはともかく、何の変哲もない埋め立て地がこんな街に変わるとは、当時誰も予想しなかった。

 オープニングの際、ベネチアンの経営者は世界一のカジノ通りであるラスベガス・ストリップを摸し、この場所を「コタイ・ストリップ」と呼んだ。

 それでも人々は懐疑的だった。信じろといわれても無理だったのだ。しかし現在、ジオラマそっくりの巨大な街がコタイ地区には作り上げられている。2007年、ぼくはベネチアンのオープニングを見に来ていた。その際、ベネチアン・マカオ社長のワイドナー氏にインタビューした。

 外資の参入によってマカオはどう変わるかという質問に対し、氏はこう強調した。マカオが「日帰りの島から何日も滞在する最終目的地に変わる」ということだ。それまでのマカオというのは、もっぱらカジノと性風俗を目的として香港から日帰りで来る島だったからだ。 (作家・松井政就)

 =つづく

関連ニュース

アクセスランキング