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茨城ダッシュ、名古屋走り…危ない「ローカル交通ルール」あれこれ 現地教習所に聞いた

 自動車の暴走や交差点での事故が大きく報じられているが、運転のマナーや習慣をめぐり、地域独自の「ローカルルール」が存在する。当然ながら本来の交通ルール通りに教えている地元の自動車教習所も頭を悩ませるが、解決策はあるのか。

 方向指示器(ウインカー)を出すと同時に右左折するなどの運転が多いのが長野県松本市の「松本走り」だ。市の広報でも危険性を訴えている。

 「当たり前のようになっているが、『行ってはダメ』と指導している」と同市の信州松本つかま自動車学校の担当者は語る。また、「せっかちということもあるが、交差点と次の交差点の間隔が短いので、あまり早くウインカーを出すと、手前の交差点で曲がると間違えられることもあるかもしれない」と事情を推測する。

 関東では、青信号になった瞬間に、対向の直進車より前に右折する「茨城ダッシュ」が知られる。同県内のある教習所では「事故が多いと他県からバカにされる」と指導しているという。

 「『名古屋走り』といわれているのは昔から」と話すのは同市のCBC自動車学校の内藤毅校長。「名古屋はマナーが悪く、ウインカーを出さずに急に車線変更する車もいる」とはっきり指導するそうだ。

 愛媛県でも対向の直進車よりも早く右折する車が多く、愛媛自動車学校の技能検定員、西原敏さんは「30年も前から『伊予の早曲がり』といわれている」と語る。

 徳島県では、黄信号になると速度を上げて交差点に進入する「阿波の黄走り」と呼ばれる運転が多いという。徳島中央自動車教習所の中島祥継代表によると、黄色で止まろうとすると「追突されたり、クラクションを鳴らされる。横から追い越して右折する車もいる」という。中島氏は「自動車通勤も多いので、朝夕のラッシュなどで急ぐと交通ルールが飛んでしまうのではないか」と嘆く。

 このほか、兵庫県では、《交差点では先に入った車が優先》《スペースさえあれば割り込み可》などが、「播磨道交法」として報じられた。

 日本自動車連盟(JAF)の2016年のアンケートによると、ウインカーを出さずに車線変更や右左折する車が「とても(多いと)思う」と答えたのが53・2%と全国最多だったのが岡山県だ。JAF岡山支部の広報担当者は「歩道橋に『ウインカーを出しましょう』などと書かれている県はほかに見たことがない」。

 ローカルルールについて、名古屋大学未来社会創造機構の島崎敢(かん)特任准教授(交通心理学)は「右折がしにくいといった環境に問題があるのかもしれない。システムの対策が先決ではないか」と指摘する。

 実際に前出の愛媛自動車学校の西原氏は「交通量の多い交差点では矢印信号も設置され、(早曲がりが)少なくなった印象」と話している。

 島崎氏は「『社会から白い目でみられている』という感覚が醸成されれば、減ることも考えられる」と付け加えた。

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