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“悪質妄言”連発…韓国・文大統領が励むレッテルづくり 「親日残滓」の次は「独裁者の後裔」

 韓国は、今年1-3月期のGDP(国内総生産)成長率がマイナスに落ち込み、青年層(29歳以下)の実質失業率は25%の水準にある。それにも関わらず、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「巨視的に見たとき、韓国経済は大きく成功」「雇用の質は改善されている」と国民向け妄言を繰り返している。日本ではほとんど報道されていないが、政治の分野でも「悪質な妄言」を振りまいている。その目的は、自らの正統性の誇示と、保守派壊滅にある。

 文氏は5月初旬、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネに長文を寄稿した。その文章は「光州(クァンジュ)事件」の記述から始まる。ドイツの国民一般は、光州事件を知っているのだろうか。

 彼は、光州市を「民主化の聖地」と呼び、「韓国人は光州に心の負い目があり」と、独断的な韓国人論を述べる。そして、自らが権力を握るのに決定的な役割を果たした“ロウソク革命”を「光州(精神)の復活」、自らの政権を「ロウソク革命の願いによって誕生した」と規定した。

 そもそも、戒厳令に反対するデモ隊が暴徒化し、官公庁や警察署、商店を襲撃したため、鎮圧のために戒厳軍が投入されたのが1980年の光州事件だ。それなのに、「抗争が続いていた間、ただの一度も略奪や盗みがなかった」とは、よくも言えたものだ。

 私には「全羅道(チョルラド=光州市の所在道)左翼よ、もっと保守派をたたいていいのだぞ」と述べているように読める。

 「光州の復活」である自らの政権に関しては、「誰もが金銭面を心配することなく好きなだけ勉強し、失敗を恐れず夢を追い、老後は安らかな生活を送れる国を築いています」と述べている。

 韓国では、大学卒業までに借金がかさんで、社会に出たときは「信用不良者」になっている若者が少なくないのに、あるいは高齢者の自殺率は世界で断トツなのに…。恥を知らない為政者ならではの弁だ。

 今年5月18日の光州事件の式典では、「光州が血を流し死んでいくとき、光州とともにできなかったことが、その時代を生きた市民の一人として本当に申し訳ありません」と述べた。

 三島由紀夫の「憂国」の主人公を思い出してしまうが、これが彼の言う「光州に心の負い目」なのだろう。

 死なずに大統領になった彼は「5・18の真実は保守・進歩で分けることはできません。光州が守ろうとした価値こそがまさに“自由”であり“民主主義”であったからです。独裁者の後裔(こうえい=子孫)でない限り、5・18を別の目で見ることはできません」と述べた。

 光州事件にケチを付ける奴は「独裁者の後裔」というわけだ。

 今年の3・1節の演説で、「パルケンイ(赤い奴)と罵(ののし)るのは親日残滓だ」と述べたのと同じ脈絡から出てきたレッテル張りの妄言だ。

 大統領が、反対派に貼り付けるべき「寸鉄、人を殺す」ようなレッテルを振りまく国の異様さ。韓国の大統領とは「国民統合の象徴」ではなく「国民分裂の実行者」なのだ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。

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