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マカオは「観光の街」? 観光客も確かに増加したが…ギャンブラーも押し寄せている

★変化を続けるマカオ(3)

 かつて「ギャンブルの街」と呼ばれていたマカオは、今では「世界遺産の街」「観光の街」と呼ばれるようになり、街ではコワモテのおっさんよりも若い女性観光客やファミリー層が目立つようになった。日本のテレビなどがマカオを紹介する際、きまって放送するのは世界遺産の区域である。

 とりわけ登場するのが「セナド広場」で、ここが観光客であふれている様子はマカオをイメージさせる定番シーンとなっている。

 ファッショナブルな服装の若い女性たちが、スイーツを食べながら自撮りをし、買い物や街歩きを楽しんでいる。その様子は原宿や表参道と見間違うほどだ。そんな姿を見れば、来たことがない人はマカオをそういう場所だと思うはずだ。

 彼女らによって街がいわば「ラッピング」されたことでマカオのイメージは一変したが、それがマカオの本当の姿かというとやはり違う。

 なぜなら、女性やファミリーが増えたのは事実でも、だからといってギャンブラーが減ったわけではないからだ。そうした人たちは昔も今も変わらずカジノに入り浸り、日夜ギャンブルに励んでいる。

 彼らはほとんど観光しないし、リゾートでリラックスしたりもしない。食事をするとき以外はカジノから出ない人もいるし、食事さえもカジノで済ませてしまう人もいる。

 ここで2枚の写真を見ていただきたい。

 【写真(1)】はラスベガス系カジノ1号となる「金沙(サンズ)」である(2004年開業)。カメラに入りきらないほど巨大なため、何とか一枚に収めようとファインダーをのぞきながら道を後ずさりしていて、車にひかれそうになったときの写真だ。

 金沙はマカオ在来のカジノとは比較にならないほど大きな規模で、オープン当時はとてつもないバケモノのようなカジノがやってきたと地元民が口をそろえていた。

 【写真(2)】は金沙参入から約1年が経過した頃の「セナド広場」だ。冒頭でも触れたが、ここはマカオで最も有名な観光スポットで、現在では体と体がぶつかり合うほど混雑し、広場全体が渋谷駅の山手線ホームのようだが、当時はこんなにガラガラだった。ちなみに、撮影したのは午後で、真ん中に立っている怪しい男はぼくである。

 この時すでに金沙は大成功を収め、中国からおびただしい数のカジノ客が連日カジノに押し寄せていた。

 どんなに交渉してもカジノ内部の撮影許可が下りず、写真でお伝えできないのが残念だが、中はギャンブラーでぎっしり埋まり、人気のゲームでは席が空くのを待つ人が列をなしていた。

 そんな大勢の人がマカオに来ていたにもかわらず、セナド広場はこんな様子だった。ギャンブラーがいかに観光をしないかがよくわかるだろう。

 ではなぜ今ここが人々でごった返しているかというと、ギャンブラーが心を入れ替えて観光もするようになったからではない。カジノをしない観光客がそれだけ増えたということである。(作家・松井政就)

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