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新しい潮流、道徳や既存の考え方にとらわれず… アプレゲール(昭和24年)

 第二次世界大戦後、フランスに起こった「戦後派(アプレ・ゲリスム)」の名称が輸入されたもので、芸術・文学などの分野での新しい潮流、道徳や既存の考え方にとらわれず行動する若い人々を指すようになった。日本では「アプレ」とも言われた。先鋭的な若者の活躍を持ち上げる一方で、いままでの考え方では理解できないような犯罪や事件(光クラブ事件、金閣寺放火事件)などを「アプレゲール犯罪」と呼び、旧世代はこぞって恐れ揶揄(やゆ)した。

 この年の主な事件は、「文部省、教科書用図書検定基準を決定」「第3次吉田茂内閣成立(蔵相池田勇人)」「ドッジ公使、経済安定9原則実施に関する声明発表(ドッジ・ライン)」「東京消防庁、119番設置」「1ドル=360円時代に突入」「日本国有鉄道、日本専売公社発足」「国鉄総裁下山定則氏、轢死(れきし)体で発見(下山事件)」「三鷹事件、松川事件発生」「シャウプ税制調査団、『シャウプ勧告』発表」「湯川秀樹、ノーベル物理学賞受賞が決定」「太平洋野球連盟(パシフィック)、セントラル野球連盟結成」など。

 水泳の古橋廣之進が1500メートル自由形で世界新記録を達成。文学では、三島由紀夫『仮面の告白』が出版。アメリカから、野球チーム「サンフランシスコ・シールズ」が来日した。

 時代はややずれるが、松本清張の小説『砂の器』には、このアプレを連想させる先鋭的な若者の集団「ヌーボーグループ」が描かれている。作品の重要な鍵となる集団だが、前の世代から、称賛と揶揄を交えつつ遠巻きにされているさまが、印象的に描かれていた。=敬称略(中丸謙一朗)

 〈昭和24(1949)年の流行歌〉 「トンコ節」(久保幸江)「長崎の鐘」(藤山一郎)「悲しき口笛」(美空ひばり)

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