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【有本香の以読制毒】日本は「香港の自由支持」を決議せよ! 弾圧繰り返す中国、次は台湾…最後は沖縄か

 香港が大変な事態になっている。

 9日来、香港で拘束した「容疑者」の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する市民のデモが大規模化。一時は100万人超に達したと伝えられていたが、12日ついに、警察がデモ隊に催涙ガス弾と、暴徒鎮圧用のビーンバッグ弾を撃ち込んだのだ。

 香港政府によると、13日朝の段階で負傷者は79人に上り、うち2人が重傷という。警官による暴行の様子も動画などで発信されている。今後の事態の変化については予断を許さない。

 5年前の秋、普通選挙を求めて学生たちが起こした「雨傘革命」の際に、10代のリーダーたちを数年前から指導し運動へと導いていた1人と筆者は知己を得た。この友人は今回、筆者とのチャットのなかで、「最後の戦い」という言葉を繰り返した。私と変わらない年齢の彼はこうも言った。

 「自分たち世代は自由を謳歌(おうか)した。だからいま、若い世代、子供たちのために、香港を、自由を守り抜かなければならない。そのためにすべてを賭けて闘う」

 彼や私が若かったころ、香港は世界で最も魅力的な街の1つだった。ちょうど30年前の1989年は、日本では平成が始まった年だったが、この年に私たちは、テレビ画面に映し出された北京・天安門広場での光景に震撼(しんかん)したものだ。

 しかし、30年後、21世紀となり、たまさか日本で「令和」という新しい時代が始まったいまとなってよもや、あの自由で愉しかった街、香港で、同じ権力による弾圧の光景を見ることになるとは思わなかった。

 とはいっても、中国共産党政権はこの30年間、広い国土のあちらこちらで同じことを繰り返してきたのだ。

 天安門事件の起きた同じ年の3月には、チベットのラサで、チベット人のデモを暴力的に弾圧。このデモは、さらに30年前の同じ「9」の付く年、59年に起きた「ラサ蜂起」(=ダライ・ラマ14世の、インド亡命のきっかけとなった事件)のメモリアルであった。

 その後、97年2月には、新疆ウイグル自治区のグルジャで、ウイグル人のデモを弾圧した。2008年には、またもやチベット・ラサでデモを弾圧し、その翌年7月には、ウルムチで、1万人超のウイグル人を一夜で“消した”といわれる。

 10年前、ラサやウルムチで流血の弾圧が起きたときでさえ、私たちは香港でのこういう事態は想像し得なかった。だが残念ながら、それはただの希望的楽観だったといま証明されつつある。

 香港の次は台湾、その次は日本の沖縄だという予測があるが、日本の一部メディアは、今後もこれを「右翼の妄想」と嘲笑い続けるのか。

 香港でのこの事件は、来年1月の台湾の総統選挙にも影響するに違いないが、わが国がいますべきことは2点ある。

 まず、G20(20カ国・地域)首脳会合で訪日する、中国の習近平国家主席に「香港の自由の保障」を求め、日本政府が予定している本年中の再来日を見直すことだ。

 もう1点、わが国の国会はただちに、「香港市民の自由を求める声を尊重することを求める声明」を決議すべきだ。この2点もおぼつかないような政府や国会なら、「今日の香港は明日の我々」となる可能性濃厚であろう。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(産経新聞出版)など多数。

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