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「年金不安」あおり政権批判に結びつけ… 罪深い一部野党

 金融庁の「金融審議会市場ワーキングチーム」が3日に公表した報告書が波紋を広げている。人生100年時代を迎えるなか、報告書の記述から「老後2000万円が必要」などの見出しがメディアにおどり、世の中に衝撃が走った。

 報告書は「家計調査」をもとに、高齢夫婦の無職世帯では、生活費が公的年金だけでは毎月5万円の「赤字」が生じ、退職後30年間で「不足額」は2000万円になるなどと表現している。

 しかし、家計調査のような政府統計を用いて、平均値や単純計算で「赤字」だの「不足」だの言われても、十人十色の生活をする国民からは「自分にはほど遠い」と思われてしまうだろう。

 リアリティーに乏しい数字がひとり歩きし、誤解や不安を増幅することは明らかといえる。

 与党側から、金融庁に猛省を迫る発言が相次いだのも当然だ。

 一部野党は、年金について「100年安心サギだ」などと大騒ぎするが、年金不安をあおって政権批判に結びつけるのは罪深い。現行の年金制度が長期持続可能だということと、人生100年時代をどう暮らすかということは別な次元だ。

 かつて、民主党の野田佳彦政権は「年金は心配ない」とし、年金を政争の具にしないと述べた。この流れを組む立憲民主党や国民民主党の人は、自覚しているはずだ。

 野田政権が主導した「三党合意」に基づき、安倍晋三政権は消費税8%引き上げで、基礎年金の2分の1公費負担を実現した。年金保険料は段階的引き上げが完了し、固定した。年金積立金も累増している。消費税10%引き上げに伴い、低年金者への生活支援給付金も始まる。

 公的年金は老後の基本である。長寿化が進むなかで、年金だけで十分だと思っている人もいない。これから、健康を保ち、資産を生かし、収入の道も開くにはどうしたらよいか。議論しなければならないことはたくさんある。

 麻生太郎金融担当相が「報告書」を受け取ろうと受け取るまいと、一度公表したものについて、政府はしっかり説明すべきである。

 米国とイランの軍事的緊張が高まるなか、安倍首相はイランを訪問し、ロウハニ大統領や、最高指導者のハメネイ師と会談した。ハメネイ師から「核兵器を製造も、保有も、使用もしない。その意図もない。またすべきでない」との発言を引き出したことは、大きな成果だ。

 これをイランが実行しなければ、国際社会からも、イラン国民からも信頼されないとの意味で、重要な言葉だ。

 同じ日、ホルムズ海峡近くで、日本などのタンカー2隻がテロ攻撃を受けた。安全確保に万全を期すとともに、制裁と報復の連鎖にひるむことなく、対話による緊張緩和に引き続き努力すべきである。

 安倍首相には、19日の党首討論に堂々と臨んでもらいたい。(公明党代表・山口那津男)

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