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「香港デモ」日本はもっと報道すべきだ! 「東洋の真珠」を情報統制された監視社会にしてもいいのか

 「東洋の真珠」と呼ばれる香港には、これまで数回訪れたが、古き良き中国の雰囲気を残しつつ、モダンで活力ある街だという印象がある。インフラも充実してるため、米国や日本と同じく不自由を感じたことはない。その香港は1997年に英国から中華人民共和国(PRC)に返還される際、50年間は「自由」「民主」「法の支配」などが維持される「一国二制度」が約束されたが、共産党独裁の習近平政権によって、それが危機にさらされている。

 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求める学生らによる大規模デモは、9日には103万人(主催者発表)だったが、16日には過去最大の「200万人近く」(同)まで膨れあがった。これは香港市民の4人に1人の計算だ。デモの映像を見たが、想像を絶する人々の波が道路を埋め尽くしていた。

 1週間で規模が倍増したのは、警官隊が12日、学生らに催涙弾やゴム弾を撃ち込み、80人前後が負傷・流血する強権制圧に出たことが大きい。現地では「警官隊の中に、中国人民解放軍が紛れ込んでいる」という情報も流れた。200万人デモから、「自由」や「法の支配」を熱望する人々の「怒り」が伝わってきた。

 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は「(改正案の)審議を無期限延期する」と述べたが、もはや香港市民が納得するはずもない。学生らは現在、改正案撤回と、ラム長官の辞任を求めている。

 米国メディアは連日、香港のデモを大きな扱いで報じている。自由主義国として当然のことだ。ところが、日本では香港報道が少ない気がする。アジアを代表する自由主義国として、香港を情報統制された監視社会にしてもいいのか。

 もし、香港のデモが中国本土に飛び火するようなことがあれば、習政権にとっては「最悪の事態」も予想される。30年前の「天安門事件」だ。

 民主化を求めた学生らが北京の天安門広場に100万人規模で集結し、各地でデモが行われた。これを人民解放軍が戦車などで武力制圧した。中国政府は死者数を数百人としているが、英国の外交機密文書では「1万人以上」と報告されている。恐ろしい犠牲者数だ。

 あのような歴史的惨事を二度と起こしてはならない。今後、香港や中国本土で被害が出れば、全世界によるバッシングは避けられない。香港はビジネスをする外国人には「住みやすい街」として人気だが、今後、その魅力は失われるだろう。

 習国家主席が間違った判断をしないためにも、日本や米国のメディアが事実を報じなければならない。日本には「中国に近い」と疑われているメディアが存在するが、私は今回、よく観察したいと考えている。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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