zakzak

記事詳細

「首都圏からの合格者占有率」ランク 広がる定員厳格化…失われる“多様性”に大学も危機感

 今週は首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の主要大学で、地元の首都圏からの合格者占有率が、この10年で上がっている大学ランクを紹介したい。

 トップは一橋大の22・5ポイントアップ。10年前の48・2%から70・7%にまで上がった。一橋大は難関大だが、首都圏ローカル化が進んでいる。次いで横浜国立大の18・9ポイントアップで、3位は早稲田大、4位は慶応義塾大、法政大、東大の3校だった。表中、首都圏の割合が7割超の大学が半数を占める。私立大では中央大を除く4校が該当する。

 塾講師は「地方創生の目的で始まった、入学者数を絞る定員の厳格化の影響もあって、地方からの受験生が減っているように見えますが、それ以上に地方の受験生の大都市圏の大学の敬遠の動きが顕著です。

 経済的な問題もありますが、定員の厳格化によって首都圏の大学が難化し過ぎたこともあり、受験しても受からないとの考えがあるようです。もともと親も東京など大都市の大学に進学させて、そのまま就職し、地元に戻ってこないことを嫌っており、子供を手元に置いておきたいのです。子供にとっても、親元から通学する方が楽との考えもあるようです。その結果、特に大手私立大で首都圏ローカル化が進んでいるのでしょう」という。

 定員厳格化の影響を受けていない国立大でも、首都圏ローカル化は進んでいる。10年前は一橋大、横浜国立大、東大、埼玉大は、首都圏からの合格者の割合が5割を切り、全国から学生が集まっていたのだ。

 こういった状況に、首都圏の多くの大学が危機感を覚えている。大学関係者は「地方から学生が集まることで、授業や課外活動など、さまざまな立場の異なる意見が出て学生同士刺激になりますが、首都圏の学生ばかりだとキャンパスの多様性が失われます。大学も寮を作ったり、奨学金制度を充実させたりして、地方から学生を集めるのに躍起になっていますが、なかなか集まっていないのが実情です」という。

 地方の受験生を飛び越え、留学生を積極的に入学させている大学も多い。これもキャンパスの多様性確保の面もあるようだ。

 ■安田賢治(やすだ・けんじ) 大学通信の情報調査・編集部ゼネラルマネジャー。1956年兵庫県生まれ。灘中高、早稲田大卒業後、大学通信入社。中高・大学受験の案内書・情報誌の編集責任者として大学合格や就職情報を発信。私立学校のコンサルティングにも協力。著書に『中学受験のひみつ』(朝日出版)など。

関連ニュース

アクセスランキング