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G20で米中対立の“核心”があらわに 貿易問題から「自由」「独裁」かけた戦いへ (1/2ページ)

 大阪でのG20(主要20カ国・地域)首脳会合が28日、2日間の日程で始まった。今回のG20は、米国と中国の対立、イランや香港情勢など、今後の世界を左右する歴史的会議になる。

 とりわけ米中対立は、これまでオブラートに包まれていた問題の核心があらわになる「真実の瞬間」を迎えるだろう。安倍晋三首相にとっては、世界に日本の存在感を示す最高の舞台になるに違いない。

 ドナルド・トランプ米大統領と、中国の習近平国家主席は、G20の合間を縫って会談する見通しだが、貿易面に限ってみても、合意が成立する見通しは立っていない。

 それどころか、トランプ氏は首脳会談で「香港問題」を取り上げる見通しだ。中国は「純粋に内政問題だ」と反発しているが、米国が香港デモを俎上(そじょう)に乗せれば、米中対立は様相が一変する。

 なぜかといえば、香港の議論を始めた瞬間に、習氏は「中国に『自由』や『民主主義』『人権』『法の支配』はあるのか」という問いに直面するからだ。

 これまで、米国は、中国との貿易不均衡や知的財産の窃取、国営企業への補助金問題などを問題視してきた。それは、いわば「商売の話」だった。だが、香港のデモは「自由と民主主義、人権をめぐる戦い」である。だからこそ、中国は議論したくない。

 香港市民は、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対して、大規模なデモを繰り広げてきた。トランプ氏はそんな香港市民に共感を覚えている。

 トランプ氏が「自由や人権をどう考えているのか」と問えば、習氏は屈辱で顔を強張らせるに違いない。逆に、香港市民にとってはこれほど力強い援軍はない。

 それは、まさに米中対立が貿易問題を超えて「自由か、独裁か」をめぐる戦いに変貌する「真実の瞬間」なのだ。

 私は確信しているが、思えば、トランプ政権が貿易問題で中国を追い詰めてきたのは「国内向けの戦術」だった。「中国は不公正な貿易を続け、米国のハイテク技術を盗んでいる」と訴えれば、国民も分かりやすい。

 だが、真の狙いは、かなり早い段階から「中国共産党による独裁体制の排除」だった。それは最近の国防総省報告などに、にじみ出ている。トランプ政権は今回、香港のデモを触媒にして、中国共産党に本来の戦いを挑むきっかけを見いだした形である。

 もはや、知的財産問題などで合意が成立したとしても、米国が手綱を緩めることはない。米中の新冷戦はここから本当の戦いに突入する。

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