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ライセンス期間5年、“ちぐはぐ”な依存症対策… カジノ解禁で見えた規制と運用テーマ

★カジノイベント取材リポート

 去る5月、カジノイベントの1つ、ジャパン・ゲーミング・コングレス(JgC)が開催され、日本のカジノ関連議員をはじめ、諸外国のカジノ事業者などが集まり、活発な議論が行われた。

 カジノに関する議論は、日本に合法カジノができることなど夢物語だった約20年前から行われてきたが、当時はカジノを知らない人が多く、話はどうしても抽象的なものになった。

 しかし現在はすでに法案が可決され、解禁が見えてきたこともあり、具体的な規制や運用についてテーマに上がった。

 その中から今回は2つ取り上げたい。

 ■ライセンス期間5年への懸念

 まずは、日本で事業者のライセンス期間が5年であることだ。

 カジノライセンスは国によってさまざまで、長いところもあれば短いところもあるが、たとえばマカオは20年で、この長さによる安心感から、大きな投資が可能となったのも事実である。

 遊ぶ側にはピンと来ないかもしれないが、ライセンス期間が短いと資金回収のリスクが高まり、資金調達の難しさからショボいIRしか作れない可能性が生まれる。

 その弊害について以前から指摘していたのは柿沢未途衆議院議員くらいで、日本では事実上見落とされてきたともいえるだろう。

 米国ゲーミング協会顧問のステイシー・パパドプロス氏は「日本はカジノ後発の立ち位置にあるので、世界の事例から学べるはず」とやんわり忠告した。

 どのパネリストにも言えることだが、今回は壇上から明確に法案を批判するケースは少なかった。彼らは日本への参入を希望しているし、しかもエントリーを間近に控えていればなおさらだ。

 この数年、日本では「忖度(そんたく)」という言葉がはやった。てっきり日本人特有のものかとぼくは思っていたが、弱い立場に置かれれば外国人であってもそうなることがわかった。

 その分、壇を降りてからは本音が漏れた。その中で多く聞かれたのが「高い入場料」と「週3回以内、月10回以内」という“ちぐはぐ”な規制への懸念だ。

 ■客への規制の懸念

 その実効性は疑わしいと彼らは口をそろえた。なぜなら6000円という高い入場料により、ギャンブル依存症ではない人がカジノに入るのをためらう効果はあるとしても、すでに依存症の人ほど6000円など気にせず入ってしまうからだ。

 もう1つ「週3回以内、月10回以内」という回数のどこに、依存症防止効果があるのかと、彼らは首をかしげていた。

 よほどのマニアでなければ週3回、月10回もカジノに来ないし、IR滞在中の旅行客を除けば、そんな頻度で来ていること自体、すでに依存症が疑われるからだ。

 気づいている方も多いだろうが、日本の法律というのは、賛成派と反対派のどちらからも批判されないよう、両者の意見の中間を取ることがしばしばで、中途半端になりがちだ。

 それでは本来の役目は果たせなくなるし、カジノ先進国のプロの目はだませない。

 ある大手カジノ会社の代表はこう語った。

 「客への間違った規制は予期せぬ問題を引き起こしかねない。日本政府はもっと現場の声に耳を傾けてほしい」(作家・松井政就)

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