zakzak

記事詳細

トランプ氏「イラン空爆中止」のウラにキャスターの助言か 「ホワイトハウス化」する米FOXテレビ

 米保守系FOXテレビはいったい何なのか-。

 G7(主要7カ国)サミット構成国における各メディアが、その国の政権運営について助言まで行うなど、寡聞にして聞いたことがない。今やFOXテレビは「ホワイトハウス化している」と言っていいだろう。

 ドナルド・トランプ大統領は6月21日のツイッターで、米軍の無人偵察機を撃墜したイランに対する報復措置として(同国施設や基地)空爆を承認したが、作戦実施の10分前に中止を命じたと明かした。

 米紙ニューヨーク・タイムズは「(トランプ氏は)自らに近いFOXテレビのキャスターからイランの挑発に乗るのは狂気の沙汰だと助言され、土壇場で空爆中止を決めた」と報じた。

 件のキャスターとは、タッカー・カールソン氏(50)である。同氏の政治志向は保守だ。奇異に感じるが、実は、2000~05年にかけてリベラル系のCNNニュース番組でコメンテーターを務めた。そして、経済政策では、民主党大統領予備選に立候補しているエリザベス・ウォーレン上院議員を評価するリベラル志向なのだ。

 同報道が正しければ、マイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らが進言した対イラン報復攻撃を承認したトランプ氏が、カールソン氏の助言を受け入れて土壇場で攻撃命令を撤回したことになる。

 ワシントン情報によると、同氏の助言は、(1)ボルトン氏を過大評価すべきではない(2)空爆は非人道的で世界から非難を浴びる(3)イランへの報復攻撃は大統領再選を危うくする-だったという。

 冷静に検証したい。まず、他国への軍事攻撃という機密情報を民間の、しかもメディアの人間に教えたという事実である。たとえ信頼があっての相談であったとしても、空爆情報が漏洩(ろうえい)すれば、米軍兵士を危険にさらす行為と言わざるを得ない。

 FOXテレビに戻る。

 3月までホワイトハウスで大統領補佐官(広報担当)を務めたのは、ビル・シャイン元共同社長である。

 さらに、同局看板番組「ハニティ」のキャスターであるショーン・ハニティ氏(57)は全米レベルで大きな影響力を持つ。

 同氏の存在感が証明されたのは、トランプ氏が1月にメキシコ国境のテキサス州に建設中の壁視察で訪れた際、現地で行われた関係閣僚会議に同席したシーンが映像で流れたときだった。

 ちなみに、政権発足から今年5月までに同局は断トツの43回、ウォールストリート・ジャーナル紙が7回、大統領インタビューをものにしている。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

関連ニュース

アクセスランキング