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変貌する韓国・聯合ニュース… 中国や北のような“純国営通信社”への道

 韓国のトップ通信社である「聯合ニュース」は、株式の支配構造からすると、既に明らかな「国営通信社」だが、彼らは「韓国の基幹通信社」と名乗る。報道姿勢の面で「国営通信社」にはなりたくないという意地があったのだろう。

 だから、斜に構えて「国営通信社」らしからぬ政権に対する批判精神を見せることもあった。

 が、その聯合ニュースもいまや、「新華社」(中国)か、「朝鮮中央通信」(北朝鮮)並みの“純国営通信社”に変貌しようとしているようだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「共産主義的言論政策」が、その背景にある。

 日本では、ほとんど「笑い話」としてしか報じられなかったことだが、聯合ニュースの子会社「聯合テレビ」(ケーブルテレビ)が、文大統領の顔写真の下に北朝鮮国旗を配した映像を流したことがある(2019年4月10日)。

 文氏の訪米を前にしたニュースで、ホワイトハウスをバックに、文氏とトランプ米大統領が並んでいる合成映像だ。トランプ氏の下には星条旗、文氏の下には北朝鮮国旗。

 思わず、「なるほど」と膝を打ってしまう映像だが、これはグラフィック映像編集過程での明らかなケアレスミスだろう。聯合テレビに、そんな「確信犯」がいるはずがない。

 ところが、すぐに韓国の新国技である「青瓦台への国民請願=ネットでの人民裁判」が始まった。

 「聯合テレビの親会社である聯合ニュースに対する国家補助金を廃止しろ」

 賛同クリックを押すのが、文支持派であることは明らかだ。たちまち、「大統領府が見解を示さなければならないクリック数」を超えた。そして、大統領府が見解を示した。「聯合ニュースへの補助金を慎重に検討する」と。

 韓国政府からの聯合ニュースに対する支払いは、ニュース購読料を含めて300億ウォン(約28億円)程度とされる。わずかな額だが、通信社は新聞社と違って、紙代も広告料金もないから所帯枠が小さい。政府支出が途絶えたら、たちまち干上がってしまう。

 そんなことは、政権側もよく承知している。大統領府の見解は「聯合ニュースよ、国営通信社らしくなれ」「聯合ニュースよ、もっと左に寄れ」という意味だ。

 聯合ニュースは6月初旬、東京の韓国文化院の開設40周年にことよせて、「これでもか」と言うほど、日本の韓流ブームの記事を垂れ流した。日本中が韓流ブームで湧きかえっているかのような報道だった。

 韓国文化院は、文化観光体育省の海外部門だ。同省こそ、国営通信社の直接の監督官庁だ。大ゴマをすったと見るほかない。

 大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合では、晩餐(ばんさん)会の後、河野太郎外相と、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相が「会談」したと聯合ニュースは報じた。

 韓国政府の公式発表は「会同した」、日本外務省の公報(HP)は「立ち話」だから、その中間的立場を守ったのかもしれない。しかし、5月にパリで行われた正規の外相会談時の写真(=テーブルに両国国旗がある)を添付したのはなぜか。「正式会談があった」かのように読者を誤導する意図があったのではないかと疑う。

 聯合ニュースの報道は「レッドチーム国家の国営通信社の報道」として受け止めねばなるまい。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ)1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。

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